SpaceXが謎の金属小惑星「プシケ」探索ミッションの打ち上げを126億円で受注

SpaceXは、NASAが2022年に計画しているPsyche(プシケ、サイキ)と呼ばれる鉱物資源豊富な小惑星の探索ミッションの打ち上げ契約を勝ち取った。米国時間3月1日、NASAは打ち上げ作業を含む同ミッション関連業務を1億1700万ドルドルで契約したことを発表した。この規模のミッションとしては異例の低価格だ。

PsycheミッションはFalcon Heavyロケットを使用し、ケープカナベラル空軍基地の発射施設39Aから打ち上げられる。火星と木星の間に位置する小惑星Psycheは、原始惑星のニッケル・鉄のコアからなり、太陽系最初期の構成要素の断片であると見られている。

NASAはこのミッションによって、Psycheの原始惑星物質の分析を通じて地球型惑星創成の歴史を解明するヒントを得られることを期待している。

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NASAのPsycheミッションには、2つの二次ミッションがある。大気流出・プラズマ加速・力学探査機であるThe Escape and Plasma Acceleration and Dynamics Explorers(EscaPADE、エスカペイド)は、火星の大気を研究し、ミッションJanus(ヤヌス)は二重小惑星を研究する。

NASAによると、フロリダ州の同局ケネディ宇宙センターの打ち上げサービスプログラムがSpaceXの打ち上げを管理し、ミッションはアリゾナ州立大学が指揮する。

「この新しいミッションフェーズに移行することで、我々はPsycheの秘密解明に近づく大きな一歩を踏み出すことになる。この謎にみちた巨大金属小惑星はわれわれにとって世界を意味している」とアリゾナ州立大学テンピ校の主任研究員であるLindy Elkins-Tanton(リンディ・エルキンス・タントン)氏が、NASAが本ミッションを承認した発表の声明で語った。

カリフォルニア州パサディナのジェット推進研究所が、システムエンジニアリング、統合、テスト、ミッション運用を含むミッション全体の管理を担当する。宇宙船の推進筐体は強力なソーラー電気装置で、Maxar Space Solutionsが提供している。

この発表は、PsycheミッションのフェーズD、E、および発射前のフェーズであるフェーズFに向かう道を開くものだ。昨年TechCrunchは以下のような記事を書いている。

フェーズDは2021年初期に始まり、2022年初期の打ち上げ計画に向けた宇宙船の最終制作およびテストが行われる。

フェーズEは、Psycheの実験機体が宇宙空間に到達した時点で開始される、とNASAは言った。ここでは同ミッションの深宇宙探索および科学研究のためのデータ収集が行われる。NASAはPsycheが2023年(Elon Musk氏が最初に人間宇宙飛行士が到達すると予言した年の2年前)に火星をかすめ飛んだあと、2026年1月31日にミッションの名を冠した小惑星に到達すると予測している。

Psyche宇宙船に搭載する機器には、小惑星に残された磁界を検出、測定するための磁力計も入っている。多重スペクトル画像装置は、高解像度画像を撮影して小惑星の組成を決定する(どれだけが金属でどれだけがケイ酸塩か)。宇宙船にはガンマ線および中性子線分光計も搭載され、小惑星の元素組成の検出、測定、マッピングを行うほか、深宇宙通信のために作られた新しいレーザー装置もある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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