SpaceXのBFRに乗って月を周回飛行する最初の民間人乗客はYusaku Maezawa(前澤友作)だ

日本人の億万長者で起業家のYusaku Maezawa(前澤友作)が、SpaceXのBig Falcon Rocket(BFR)で月の周回飛行をする初の民間人になる。その24万マイル(約39万キロメートル)の旅は、早くも2023年に決行される予定だ。

月曜日(米国時間9/17)にロサンゼルス近くのSpaceXの本社で行われたイベントで、彼は大声で興奮と喜びのスピーチを語った: “ぼくは月へ行きたいんだ!”。

SpaceXがBFRの…今後の長期に亙る…テストと開発に成功したら、Maezawaは1972年にアメリカが行ったアポロ計画以来初の、月旅行の乗客になる。月に行ったことのある人は、わずか24名だ。SpaceXによると、旅程はおよそ1週間で、月面から125マイル(約200キロメートル)の至近距離に達したら月旅行を終えて地球へ帰還する。

Muskは、発表後の記者会見で、“彼は最高の冒険家だと思う”、と語った。

Maezawaはこれまでの人生で、ありとあらゆることに挑戦してきた。今の彼は、起業家であり、ミュージシャンであり、デザイナーであり、アーチストであり、美術蒐集家であり、そしてオンラインのファッションリテイラーZozotownのCEOだ。

彼は曰く、“これはぼくの一生の夢です。子どものころから月が好きで、月を見るだけでいろんなことを想像します。月はいつでもそこにあって、ぼくにインスピレーションを与え続けています”。

Maezawaによると、彼は6人から8人のアーチストを同行して、彼らに宇宙や月に刺激された作品を作ってほしい、という。彼はそのプロジェクトを、#dearMoonと呼んでいる。“彼らの傑作がぼくたち全員の中のドリーマーにインスピレーションを与えるだろう”、と彼は語る。まだ同行者を具体的には決めていない。たぶん、ミュージシャンとフォトグラファーと絵描きと建築家の混成チームになるだろう、と言っている。

BFRがMaezawaを宇宙に送り出すまでにSpaceXには、やるべきことと、調達すべき資金がたくさんある。現在は、SpaceXのリソースのわずか5%がBFRに投じられている。BFRの開発費用は、50億ドルと見積もられている。

MaezawaもMuskも、まだ彼の“運賃”を明かさない。でもMuskは、これは本物の商契約であり、彼は“大金を”払っている、と言う。

BFRはまだ、できていない。Muskによると、成功の鍵は売上、中でもとくに有料顧客の数にかかっている。BFRは定員100名だが、最初の飛行では備品等の量も多いので旅客の数は10名強が妥当、という。

Muskは木曜夜のツイート(米国時間9/13)で、新しいBFRの設計を前触れした。“SpaceXはBFRによる月周回旅行の世界初の民間人乗客と契約した”。これはSpaceXが発表する三度目のBFRの設計だ。Muskは月曜日(米国時間9/17)の夜、“これはBFRの概略構造設計としては最終作だ”、と言った。

その月曜夜にMuskは、BFRの詳細をさらに明かした。月曜日に見せた設計ではBFRは長さ118メートルの二段式再利用可能な宇宙船で、100トンの荷重を火星へ運べる。

SpaceXはまだ、BFR宇宙船の“グラスホッパー”試験を来年行なう計画だ。そのあと2020年に、高高度高速飛行を行なう。

BFRはBig Falcon Rocketの頭字語ではないのかもしれないが、とにかく、持続可能な惑星間宇宙船として設計されている。いずれそれは、SpaceXのそのほかのロケット、Falcon 9やFalcon Heavyなどをリプレースするのだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。