国の補助金への依存を減らしたいTorプロジェクトは、11月にクラウドファンディングキャンペーンを開始した。募金が一区切りついた今日(米国時間1/20)、同団体は、6週間で20万ドル強が集まったことを発表した。正確には、5265名から計20万5874ドルだ。
匿名のボランティアのサーバーを使ってよりセキュアなインターネット体験を提供するTorは、寄付をいつでも受け付けていたが、でも今回はもっと公共的なキャンペーンになり、NSAを内部告発したEdward Snowdenなど、このネットワークのもっとも著名なユーザに焦点が当てられた。Snowdenは、このサービスが貴重である理由を、説明している。
Torは最近、その2014年の収入が250万ドルだったことを公表したが、しかしそのお金の多くは政府からだ。同団体の会計監査文書は、2104年の収入の75%が国の補助だ、と言っている。2013年には90%だったから、それよりは低い。今後もしばらくは、資金の大半を補助に依存すると思われるが、しかしクラウドファンディングへの注力とPR活動の強化は、寄付の増加により補助金依存を減らすことと、新しいプロジェクトのためのリソースを獲得することを、ねらっている。
Torはそのブログ記事で、次のように述べている: “前から、資金源を多様化したいと考えていた。クラウドファンディングはわれわれに、やるべきことをやるべきときに行う自由を与える。新しい強力なプライバシーツールを開発する資金を与える。今あるツールをより強力かつ壊れにくくすることもできる。ヘルプデスクや、Webサイトのアラビア語バージョンを作ることもできる”。
11月にこの寄付キャンペーンが始まったときにも書いたが、Torと政府当局とのあいだには緊張関係があるが、元はと言えばTorのルーティングは合衆国海軍のプロジェクトとして開発され、最初はDARPAが資金を出した。昨年氾濫した報道によると、FBIはカーネギーメロン大学の研究者に100万ドルを提供して、Tor破りの方法を研究させた。大学はその“不正確な”報道を否定したが、FBIとの関係があったことは事実のようであり、したがって、サイバーセキュリティのコミュニティには疑心暗鬼が広まった。
今週のTor関連のそのほかのニュースとしては、TorをAndroidからも使えるようにするために、Facebookが支援を拡大した。ソーシャルネットワークの巨人がこのプロジェクトを初めて支援したのは2014年で、そのときは同社のTorアドレス: facebookcorewwwi.onionがオープンした。