中国最大のチャットアプリWeChatは、中国観光客たちに人気のある訪問先である日本で、その支払サービスをより普及させようとしている。
火曜日、Tencentが運営するこのメッセンジャーは、モバイル決済に関して日本のLINEチャットアプリとの提携を発表した。この提携により、LINE Pay端末を設置済の日本の実店舗で、WeChat Payの直接支払いを行うことが可能になる。通貨両替の手間を掛けることなく、中国人客はただWeChatアプリを起動して、店舗側が提示するQRコードをスキャンして支払うことができる。
この新しい同盟は、Tencentの最も強力なライバルAlibabaによる、似たような動きに続いたものだ。9月には、巨大電子商取引企業Alibabaの支払い子会社であるAlipayが、中国から国外に出ていく旅行者を獲得するために、Yahoo Japanと提携した。
Tencentは、TechCrunchから問い合わせを行った際には、このスキームを通じて潜在的に、どれくらいの数の小売業者にリーチできる可能性があるかについては答えなかった。しかし同社は、LINE Payとの提携により、中小規模のビジネスがモバイルペイメントに比較的安いコストで対応できると語った。なぜなら小売店はそのためにQRコードスキャナーを購入する必要がないからだ。
WeChat PayとAlipayは、既にここ数年の間、日本で独立して運営されている。例えばWeChat Payは、2017年6月から2018年にかけて、日本での取引件数が6倍に増加したと主張している。
一方、地元の店舗に幅広く提携店舗を持つことは、AlibabaやTencentが、ますます洗練されつつある中国人観光客の波に乗ることを助けることができる。
LINEとの提携は「WeChat Payを中小規模の小売店に普及させ、中国人たちに有名な観光スポットだけではなく、より日常的な場所でも使ってもらう動きを加速します」とTencentの広報担当者は語った。「この戦略は、中国人旅行者から出されている、より地元の人たちのように旅したいという、よりレベルの高い要求に沿うものなのです」。
中国人たちに対する日本の魅力は高まっている。中国のオンライン旅行代理店Ctripの報告によれば、10月の中国の1週間に及ぶ「ゴールデンウィーク」の間に、日本は初めてタイを飛び越して、中国人観光客たちにとって最も人気のある行き先になったということである。2017年に日本政府観光局(JNTO)は、合計736万人の中国人旅行者を記録した。これはこの年に日本を訪れた観光客の四分の一を占めている。
画像クレジット: TechCrunch
[原文へ]
(翻訳:sako)