Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day2日目のスタートアップ88社(5)

米国時間3月19日は、Y Combinatorが開催した、2019年冬クラスの2日間のDemo Day後半だった。1日目は85以上のスタートアップがステージに上がりピッチを行った。2日目も同様に多数のピッチが行われた。

以下に、2日目に発表した全社と、そのプレゼンテーションに対する私たちのメモを紹介する。

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 2日目のスタートアップ
・Part 1:パイオニアステージ(1)
・Part 2:パイオニアステージ(2)
・Part 3:パイオニアステージ(3)
・Part 4:パイオニアステージ(4)
・Part 5:ミッションステージ(1)※この記事
・Part 6:ミッションステージ(2)
・Part 7:ミッションステージ(3)
・Part 8:ミッションステージ(4)

ミッションステージ

WeatherCheck
保険会社ために気象被害額を計算する。同社はローンチ以来、保険会社の全体の請求処理費用を削減する手助けをして、すでに5カ月のうちに年間予約で470万ドルを確保している。このサービスを利用するためには、保険会社は管理する資産に関するデータをアップロードする必要がある。WeatherCheckは天気を監視し、例えば資産がひょうで損傷した場合などに保険会社に通知を送信する。

EatGeek
創業者たちは、彼らの直前のスタートアップをGrubHubに売却した後、レストランがもっと大規模なケータリング注文を受け付けることができるようにしたいと考えていた。ほとんどのレストランは、イベントへのケータリングを狙う人たちには焦点を当てていない。EatGeekは特にそうした大規模なオーダーを求めている観客たちに対してレストランを結びつける。店舗はシステムを通過するすべての注文に対して20%の手数料を負担しなければならない。

Avo
分析機能を実装する際の人的ミスを防止する。同社によれば、人間は分析機能の実装が苦手なのだという。エンジニアとデータサイエンティストで構成される彼らのチームは、以前Sequoia Capitalに支えられ1億人のユーザーを獲得した、QuizUpを構築したチームだ。Avoはさまざまな企業の中で用いられているが、その中にはSkip Scootersも含まれている。

Adventurous Co
拡張現実スカベンジャーハント(モノ集め競争)を開発している。これは実際の俳優と提携し、モバイルアプリを使って、通常の画面で遊ぶものよりもはるかに魅力的な対話型家庭ゲームを生み出すことができる。1人あたり15ドルで45~60分の体験が行える施設をサンフランシスコでローンチした。Adventurousに関しては、ここでも記事にしている

Globe
「デリバティブのためのCoinbase」とも自称するこのスタートアップは、高頻度トレーディングをサポートする、暗号通貨デリバティブ取引所を構築した。このプラットフォームにより、暗号通貨保有者はグローバル市場とビットコインを使って取引を行うことができるようになり、機関投資家が利用するデータへのアクセスも可能になる。

XGenomes
時間とお金を節約できる低コスト高効率のソリューションで、DNAシーケンシングを変革することを目指している。同社のソリューションは、スライドガラス上に検体を置き、個々のシーケンスを識別したうえで、機械学習を利用して高解像度の写真をつなぎ合わせて画像を完全なDNAシーケンスへと組み上げる。オックスフォードとハーバードのチームは、XGenomesが現在ターゲットにしている市場は、65億ドルを超えていると言っている。

Habitat Logistics
消費者向けモバイルアプリを持っていないスタートアップだが、レストランのデリバリーを手助けすることを狙っている。競合他社との違いは何だろうか?同社は、顧客の家から10分以内にあるレストランからのデリバリーのみを引き受けることで、長距離デリバリーに必要な時間を不要にする。レストランはデリバリーが必要になった時点でHabitatに通知を送り、それを受けて会社はデリバリーのためのドライバーを派遣する。Habitatによれば、毎月17%の成長を見せており、1回の配達ごとにレストランに課金することで、現在月額11万ドルの収益をあげている。

WorkClout
製造業者がまとまった製品を製造する際の、生産管理を支援するソフトウェアを開発している。チームによれば、全製造業者の56%が、まだ紙とExcelで管理を行っていると言う。WorkCloutは非能率を見つけてワークフローを改善する作業をはるかに簡単にする。チームはまずパッケージ製造分野の顧客に焦点を当てており、次に食品および飲料会社と繊維製造会社に取り組むことを目指している。

PadPiper
月決めの住居と適切なルームメイトを見つけるためのマーケットプレイス。同社は、インターンが住むための適切な場所を探すことを支援し、同時に適切なルームメイト探しも支援する。インターンのための住居探しマーケットに対する支援を求めている大企業と提携している。創業者たちは、かつて学業上の理由から5年間で35回引っ越しをしなければならなかったが、その際にCraigslistやその他のオプションにはがっかりしたと述べている。PadPiperの月の収益は1万ドルで、毎週37%成長しているという。

DevFlight
オープンソースソフトウェアのビジネスモデルを改革したいと考えている。彼らが構築しようとしているマーケットプレイスは、オープンソース開発者と企業の橋渡しをするものだ。DevFlightは、企業ならびに開発者と協力して、両者がプロジェクトのスコープに対して理解できるような計画を策定する。DevFlightは取引に対して25%の手数料を請求する。

Handle.com
未払いの建設請求書の回収プロセスを自動化する。顧客の支払いが遅れると、建設会社はしばしば自分の仕事に対してお金を支払うことを余儀なくされる。Handleによれば、未払いの建設請求書は、毎年1040億ドルにも及ぶ。Handleは6週間前にローンチし、現在月に2万2800ドルの収益を得ている。創業者たちは以前、Andreessen Horowitzが支援するTenfoldという会社を起業した者たちだ。

Y Combinatorの2019年冬のDemo Day初日の有望スタートアップ10社

[原文へ]

(翻訳:sako)

前の記事へ次の記事へ

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。