Y Combinatorはスタートアップのアクセラレータの世界を支配している、と思っておられるあなた、YCの社長のSam Altmanもそう思っているのだ。
TechCrunch Disrupt New Yorkのステージで壇上インタビューを担当したTechCrunchのファウンダMichael Arringtonは、Altmanから、ちょいと物議を醸しそうな話を引っ張り出そうとして彼に、“YCがアクセラレータのエコシステムから酸素の99.9%を吸い取っているのではないか”、と尋ねた。Altmanは、ハードウェアなど特定の分野でクールにやってるアクセラレータはほかにもいる、と反論した。
ただしAltmanは、YCはほかの育成事業を経てきたスタートアップにはあまり投資しない、と言葉を加えた。
“そういう意味では、そのほかの段階の投資と違ってアクセラレータの分野には独占がある、と思う”、と彼は言った。
Arringtonは、Y Combinatorが独占だと思うか、としつこく食い下がった。気まずそうな一瞬の沈黙のあとAltmanは、“そうだね。うちは優秀な企業だけをつかまえてる。うちの仕事のいちばん難しい部分、精力の90%を取られる部分がそこだね”、と答えた。
AltmanがYCの社長になったのは2月で、それ以降彼は、YCの投資から起きうる紛争やいわゆる“信号送出リスク(signaling risk)”*の軽減に努めてきた。たとえば投資構造の改革やYCのパートナーたちによる投資の制限などを通じて。〔*: signaling risk, 緩い任意のパートナーシップの場合、その後の投資が継続せず、それが、対象企業の内情に関する“悪い信号”として世間に流れること。また逆に、間違った“良い信号”もありえる。〕.
また技術的な面では、デベロッパを一人から三人に増やし、今後もっと増やす予定だ。Altmanによると、今進めている二つの主なプロジェクトは、Hacker Newsのアグリゲータと、同社独自のインターネットツールだ。“VC企業を本当にスケールする方法は、ソフトウェアだ”。
さらに、本誌も記事にしたように、YCはStartup Schoolを国際展開した。
Altmanは、企業が初期の理想や焦点を失う理由について、こう言うWeb: “伝道者(missionaries)だった者が金目当ての傭兵(mercenaries)になってしまう”。とくに問題なのが、IPOだ。
“公開企業になることは、多くの企業にとって、たいへんなことなんだ”、と彼は言う。“FacebookやGoogleは、四半期ごとに恐ろしい顔をしてやってくる数字のプレッシャーをうまくあしらっていると思うが、ぼくが見たかぎりでは、対応の下手な企業がほとんどだね。本来の仕事そっちのけで、この‘四半期問題’に翻弄されてしまうんだよ”。
そしてAltmanの説では、“彼らのいちばん多い間違いは、視野狭窄的に、短期的な最適化に勤しんでしまうことだ”。良い企業とは、長期的な最適化に正しく取り組む企業だ、と彼は主張する。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))