ここ数年YouTubeには強敵が続々と現れているが、今日(米国時間6/12)同社は、ゲーマーを重要なユーザとしてつなぎとめておくための、新しいスタンドアロンのアプリとサイトを立ち上げた。
FacebookのNews Feedには今では、口コミで広まるビデオやニュースクリップなどユーザのアクセスと定着率を高めるためのコンテンツを何でも置ける。またTwitchなどのサイトは、ゲームの実況など特定のコンテンツに集中することによって、人びとがビデオの視聴でつぶすヒマ時間を大量に奪おうとしている。
しかしおもしろいのは、YouTubeにはこれらのコンテンツがとっくの昔からあること。YouTubeにないのは、HuluやNetflixが提供している有料の長編コンテンツだけだ。でも、これまでのYouTubeにとって難題は、個々のユーザの関心と、その関心にマッチしたコンテンツを、その超巨大サイトの上で正しく結びつけることだった。
今日同社が発表したYouTube Gamingは、ビデオゲーム関連のコンテンツに特化したスタンドアロンののアプリとコンテンツだ。YouTubeの上だけでヒマ時間は十二分につぶせるはずなのに、このところ外部勢力にその時間を奪われることが多くなっている。それに対する巻き返し策として立ち上げたのが、YouTube Gamingだ。特定分野に特化したプロダクトを提供することによって、同社は、コンテンツを気ままにランダムに拾い見していくいかにもYouTube的な視聴者ではない、もっとマニアックなユーザ層を囲い込もうとしている。
YouTube GamingはTwitchにとてもよく似ていて、各ゲーム専用のページというものがある。今それは、25000タイトルぐらいだ。各ページに、そのタイトルに関連したYouTubeチャネル、ビデオ、ライブのストリーム、などのコンテンツが山盛りされている。そのゲームが好きな人は、ときどきそのページを訪れれば、人気の高いクリエイターなどが作った新作ビデオなどを、見逃すことなく確実に見られる。新作をタイミング良く確実に見つけることが難しいという、YouTube本体の難点を、ここで克服しているのだ。
YouTubeは今回の発表に加えて、今後はライブストリーミングツールを改良してもっと簡単にブロードキャスティングができるようにする、と言っている。たとえば、ライブビデオのスケジュールを事前に予約しなくてもよくする。ライブストリームひとつひとつにリンクを設けてシェアするのではなく、たった一つのリンクでその人のストリームの集合に行き、そこで新作を確実にチェックできるようにする。などなど。
YouTube Gamingはこの夏、合衆国とイギリスで供用される。ただし具体的な日程は未定のようだ。