「次の10億ユーザー」イニシアチブ責任者・決済サービスVPがグーグルを去ることに

Google(グーグル)の「Next Billion Users(次の10億ユーザー)」イニシアチブの責任者を長年務めてきたCaesar Sengupta(シーザー・セングプタ)氏が、2021年4月末に同社を退社することをインド時間3月22日に発表した。セングプタ氏は他にも過去3年間、同社のGoogle Pay決済サービス事業も担当しており、約15年間勤めた同社を去ることになる。

インドやブラジル、そしてインドネシアで開催されるGoogleのイベントには欠かせない存在だったセングプタ氏(写真)は、発展途上市場のユーザーがインターネットやサービスをより利用しやすくするための取り組みであるNext Billion Users部門を率いていることで社外でもよく知られている。

Next Billion Usersイニシアチブの一環としてGoogleは、インドやその他の市場の何百もの鉄道駅やその他の公共の場所にWi-Fiを通じてインターネット接続をもたらし(その後Stationプログラムは閉鎖)、インドでGoogle Payを開始し(米国のGoogle Payとは異なり、クレジットカードを前提に開発されたものではない)、Android Go、Datally、Kormo JobsFilesアプリなどの製品を構築した。

関連記事
インドの鉄道駅では800万人がGoogle提供の無料Wi-Fiを利用している、Googleには広告収入がある
Googleがインドの駅や僻地で提供してきた無料Wi-Fiプログラムを終了させる
グーグルが非熟練労働の求職を支援するKormoアプリをインドで立ち上げ、リモート面接も可能に
GoogleのAndroid用ファイルマネージャー、Files Go,、ベータ版公開

セングプタ氏はNext Billion Users部門の前には、Chromebookに搭載されているデスクトップOSであるChromeOSのVP兼プロダクトリードを務めた。

Googleの広報担当者は声明の中でこう述べている。「シーザー・セングプタは、Googleでの15年にわたるキャリアの後、当社を離れ、Googleの外で起業することを個人的に決断しました。シーザーはGoogleではChromeOS、Next Billion Users、Google Payなどのイニシアチブの立ち上げ、構築、主導に重要な役割を果たしてきました。私たちは、彼が次に何を構築するかを楽しみにしており、彼の新しい旅での成功を願っています」。セングプタ氏の現職は、Next Billion UsersおよびPayments担当のVP兼GMだ。

「アフリカ、APAC、LATAM(中南米)、MENA(中東・北アフリカ)で働いている多くのGoogler(グーグラー)のみなさん、みなさんの声がGoogleの製品により反映されるようになったことに感動しています。やるべきことがまだたくさんあることはわかっています」と、セングプタ氏は同僚に宛てたメールの中で述べ、それを公開した

「しかし、私たちはほんの少し前に比べて何光年も進歩しています。みなさんは、経済のデジタル化に貢献し、Googleを地元に根づかせ、Googleの各国への投資を前例のないレベルにまで高めてくれました」と、アジアを拠点とする同氏は続けて書いた。セングプタ氏は、今後の計画については語らなかった。

また同氏のリーダーシップの下、Googleはアジアのスタートアップ企業にいくつかの投資を行った。これらの投資の中には、バンガロールを拠点とする配送サービスのDunzo、Androidのロック画面を開発するGlance、人気のニュースソーシャルアプリDailyhuntなどがある

関連記事:グーグルがインドのハイパーローカル配達サービスDunzoを41億円の資金調達ラウンドで支援
GoogleがインドのスタートアップGlanceとDailyHuntに投資、世界第2位市場へさらに注力

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Googleインド

原文へ

(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。