経営者賠償責任保険を扱うCounterpartがテスラ・スペースXの初期投資家などから10.9億円調達

インシュアテックのスタートアップCounterpart(カウンターパート)は、Valor Equity Partnersが主導したラウンドで1000万ドル(約10億9000万円)の資金を調達した。それに加え、Susa VenturesとFelicis Venturesも参加した。Counterpartは、「management liability(経営者賠償責任保険)」市場に注力している。またCounterpartは、Markel Corporationの特殊保険商品部門であるMarkel Specialtyと提携して経営者賠償責任保険商品を提供する予定だ。

これまでOscar(オスカー)、Lemonade(レモネード)、Root(ルート)などのインシュアテックのスタートアップは、個人向け保険に参入してきた。Counterpartによると、3000億ドル(約32兆6000億円)規模の企業向け保険市場に取り組む新興企業はあまり見られないという。

Counterpartは、同様に中小企業向け賠償責任保険を提供している、そして6億3100万ドル(約685億4000万円)を調達したNext Insuranceだけでなく、AIGやBerkshire Hathaway(バークシャー・ハサウェイ)などのような大手保険会社とも競合している。

Counterpartは申請書の提出から補償内容の選択、拘束、クレーム管理、損害防止に至るまでのプロセスの多くをデジタル化していることから、米国の一部のホールセール・ブローカーが中小企業の保険加入に利用している。Counterpartによるとこの市場は、保険金請求のコストや深刻度が増加し、プロセスのデジタル化が進んでいないため、保険会社にとっては魅力のない市場になっているとのこと。

創業者兼CEOのTanner Hackett(タナー・ハケット)氏は、声明の中で次のように述べている。「1.2兆ドル(約130.3兆円)規模の保険業界では、デジタル革命が起こっています。当社は、我々が独自の専門性を有する重要な保険分野である経営者賠償責任に、大きなチャンスを見出しました」。

Valor Equity PartnersのパートナーでCounterpartの取締役であるJon Shulkin(ジョン・シュルキン)氏はこう述べた。「Counterpartのプラットフォームは従来の保険会社の範疇を超えており、ビジネス関係者が昨今の非常にチャレンジングな経営環境をナビゲートする際に役立つ洞察力、ツール、サービスを兼ね備えています」。

Valor Equity Partnersは、Tesla(テスラ)、SpaceX(スペースX)、Addepar、そしてGoPuffの初期投資家だった。SusaはこれまでにRobinhood(ロビンフッド)、PolicyGenius、Newfront Insuranceを支援してきた。Felicisは、Hippo(ヒッポ)、Plaid(プレイド)、Credit Karma(クレジットカルマ)に出資している。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:保険 資金調達

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)

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