今朝の(米国時間4/17)ロシアのテレビの視聴者参加番組で、NSAの秘密活動をばらした悪名高きEdward Snowdenが、同国の大統領 Vladimir Putinに、ロシア政府による国民監視活動について質問をした。合衆国のパスポートを無効にされたSnowdenはロシアの空港に数週間足止めされ、その後同国への一時的な亡命を認められて、今はロシアで暮らしている。
なお、Snowden自身がロシアを選んだわけではない。むしろ彼はアメリカ政府によってそこに座礁してしまったのだ。
Snowdenの質問は、今の彼としては当然のものだった: “ロシアは何百万人もの個人の通信内容を、何らかの方法で盗聴し保存し分析していますか”。Putinの答、– ノー、われわれは法律に従っている — は、よく聞くパターンであるがゆえに、ユーモラスに響く。政府の役人たちは、うわべは否定しつつ、遵法性に依拠することによって自分たちの監視活動に道徳性の衣装を着せようとするのだ。
Putinはぶっきらぼうだった: “わが国にはそのような盗聴を行う大規模なシステムはないし、わが国の法律では、それは存在し得ない”。彼はまた、同国の監視装置に関して述べる際には、謙虚さに訴えようとした: “わが国には、彼らがアメリカで使えるほどの大金がないし、彼らがかの国で持ってるような技術的能力もない”。
怒りの声や、それらしき声が、早速盛り上がった。あらかじめ録画されていたSnowdenのその質問は、彼を敵視する人たちにとっては、彼らが前から抱いていたおそれ、すなわち、政府批判者が今ではロシアの手先になってしまったという懸念を、より確実にするものだった。メディアはそれを、ロシアの宣伝PRとか、利用されたSnowden、などなどと呼んだ。
Snowdenを懲役や死刑にすべき裏切り者と見ている人たちがいるかと思えば、それとは逆の見方をする熱心なサポーターもいる。たとえばGlenn Greenwaldのツイートは:
[今度はクレムリンの国民監視活動を暴露して、合衆国に亡命すればよい。]
そもそも、Snowdenの質問は、嘘の情報に足場を与えたのか? それとも、これを契機に政府の国民監視活動に関する議論がロシアでも活発になり、その結果、誰もが嘘だと思っている答えを言った同国の大統領が、愚か者に見えてしまうのか? …二つとも、答えはイエスだと思う。
ロシアの能力に関しては、The Daily Beastから引用しておこう: “しかしロシアの連邦保安局(FSB)のロシア人や外国人に対する盗聴能力は、FBIやNSAより、はるかに強大である。具体的にはたとえば、Soldatovによれば、FSBはロシアの通信企業やISPのすべてのサーバに、バックドアを設けている”。
さて、あなたはどんな感想を持たれるだろうか。以下がそのビデオだ:
画像: FLICKR/Republic of Korea; CC BY 2.0のライセンスによる(画像はトリミングした)
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))