電動歯ブラシや3Dプリント製マウスピースを安価で提供するシンガポールの審美歯科D2C「Zenyum」

審美歯科をもっと手頃な料金で提供したいと考えるZenyumが、シリーズBで4000万ドル(約43億8000万円)を調達した。これには、非上場の消費者ブランドに投資をしているL Cattertonからの2500万ドル(約27億4000万円)が含まれている。この投資ラウンドに参加したその他の投資家は、Zenyum自身がそのアクセラレーター事業Surgeに参加したSequoia Capital India、RTP Global、Partech、TNB Aura、Seeds CapitalそしてFEBE Venturesなどとなる。L Catteron Asiaの成長投資部門のトップであるAnjana Sasidharan(アンジャナ・サシダラン)氏がZenyumの取締役会に加わる。

これでZenyumの調達総額は5600万ドル(約61億3000万円)になり、これには2019年の1360万ドル(約14億9000万円)のシリーズAが含まれる。発表声明でサシダラン氏は「Zenyumはビジネスモデルを差別化して、競争で優位に立つことができました。成長意欲の強い創業者たちの経営チームも、投資家にとって心強い」と述べている。L Catteronが投資している歯科関連の企業には、他にIdeal Image、ClearChoice、dentalcorp、OdontoCompany、Espaçolaser、そして98point6などがある。

2018に創業された同社の製品には、電動歯ブラシ「ZenyumSonic」や3Dプリントで作った透明なアライナー(マウスピース)「Zenyum Clear」、もっと複雑な矯正が可能な「ZenyumClear Plus」などがある。

創業者でCEOのJulian Artopé(ジュリアン・アルトペ)氏によると、アライナーであるZenyum Clearはその他の矯正器よりも最大で70%安いという。患者の歯の状態や彼らの希望により、これまでは金属製や舌側矯正器、Invisalignのような透明なアライナーなどが使われてきた。Zenyum Clearは約1800ドル(約19万7000万円)、ZenyumClear Plusは2500〜3000ドル(約27万4000〜32万8000万円)弱というお値段だ。

同社の透明アライナーが実質的に低価格なのは、技術力のある歯科医や歯科技工士のパートナーのネットワークがあり、患者があちこちのクリニックを訪ねなくても済むからだ。

患者はまず自分の歯の写真をZenyumに送り、ZenyumClearやZenyumClear Plusが有効かチェックしてもらう。OKなら次は歯科医の面接検査となり、X線検査や3Dスキャンが行われる。その費用90〜130ドル(約9400〜1万2400円)はクリニックへいく。透明アライナーが完成すると、患者は再び歯科医へ行き、装着してもらう。その後歯科医は、Zenyumのアプリを使って患者の歯の状態の改善をモニターする。そのとき歯科医が患者にいうのは、もし問題があったらまた来てくださいということだけだ。

現在、ZenyumClearを利用できる区域はシンガポールとマレーシア、インドネシア、香港、マカオ、ベトナム、タイ、そして台湾だ。

Sequoia IndiaのトップPieter Kemps(ピーター・ケンプス)氏は次のように述べている。「Zenyumの主力市場である東南アジアと香港、台湾には3億の顧客がいます。彼らが美容に費やす可処分所得は日に日に増えています。透明アライナーへの支出も、今よりずっと増えるだろうが、しかし複雑な製品が消費者に選ばれるためには強力な業務実行体制が必要です。その点で優れているのがZenyumです。実行体制は優れており、新製品も強力、NPSもこのクラス最高です。成長力はあるし、経済も好調、シリーズBがそれを証明しています。この先には、もっと大きな商機があることも確実です」。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:Zenyumシンガポール資金調達D2C

画像クレジット:Zenyum

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(文:Catherine Shu、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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TechCrunch Japan

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