いつでもどこでもインターネットにアクセスできる時代となり、消費者の行動も大きく変わりました。これまで以上に、デジタルを通してターゲットにアプローチする方法が企業に求められる中、デジタルマーケティングが必要不可欠となってきたといえるでしょう。
ここでは、デジタルマーケティングとウェブマーケティングの違いを踏まえて、デジタルマーケティングの8つの手法について、具体的に解説します。
デジタルマーケティングはウェブマーケティングとどこが違う?
そもそもデジタルマーケティングとは、「デジタル化した情報を活用したマーケティング」のことをいいます。デジタルマーティングでは、さまざまなタイプのデジタルメディアを活用しながら、自社の商品・サービスを打ち出して、ユーザーに訴求していきます。ユーザーの行動データを収集・分析して定量化し、戦略的にマーケティングを行えるのが、デジタルマーケティングの特徴です。
デジタルマーティングとよく似た言葉に「ウェブマーケティング」がありますが、その違いを整理しておきましょう。
ウェブマーケティングは、自社のウェブサイトやECサイトを中心に、ウェブ上のユーザー行動を軸にしたマーケティングのことです。具体的には、自社のウェブサイトやECサイトなどのアクセス状況を分析し、ユーザーがどのような情報を求めているかを探っていきます。SEOやSNS、メールマガジン、ウェブ広告といった手法が、ウェブマーケティングに該当します。
一方、デジタルマーケティングは、デジタルで得られるあらゆるデータや顧客との接点を活用します。ウェブマーケティングで扱う領域に加えて、リアル店舗への来店データや販売履歴、IoTのデータ活用など、ウェブを介さない消費者の行動データも対象となります。
デジタルマーケティングの6つの手法
デジタルマーケティングには、ウェブ上の施策をはじめとして、さまざまな手法があります。ここでは、デジタルマーケティングの主な手法を、6つ解説していきましょう。
1 ウェブサイト
ウェブサイトは、デジタルマーケティングの基本的な手法です。ウェブサイトに会社情報、事業活動、商品情報、採用情報といった内容を掲載することで、訪れたユーザーに自社について知ってもらうことができます。インターネット上の、自社の営業の役割を担いますので、洗練されたデザインとわかりやすいテキスト情報になるよう、しっかり精査してください。
2 オウンドメディア
オウンドメディアを用いた情報発信は、よく用いられるデジタルマーケティングのひとつです。オウンドメディアで定期的に記事を公開することで、ターゲットとの接点が生まれます。
ただし、自社の商品・サービス紹介では、ユーザーは訪れてはくれません。オウンドメディアの記事づくりでは、ユーザーメリットを考えることが大切です。ユーザーが抱えている課題に対して専門知識を活かし、しっかりとした回答を与えることを考えていくべきです。
なお、自社のオウンドメディアの記事を読んでもらうためには、Googleなどの検索結果の上位に記事が表示される必要があります。自社サイトにどのような記事を作れば検索上位に来るのか、SEOを意識して、競合サイトの記事を踏まえながら内容を考えていきましょう。また、TwitterやFacebook、InstagramといったSNSの活用も、オウンドメディアの流入を考えるには欠かせないため、オウンドメディアが目指すユーザー属性に合わせたSNSを選択して運用してください。
3 メール
見込み顧客に直接アプローチできるのが、メールマガジンです。顧客にあらかじめ許可を取った上でメールを配信することになるため、すでに自社の商品・サービスに関心がある層に向けて、情報発信ができます。ただし、注意したいのは、自社の商品・サービスの告知情報だけになってしまうこと。ユーザーにとって有益な情報を、メールの内容に盛り込むことを意識してください。
また、配信の頻度が適切でなかったり、内容が顧客の興味や関心とマッチしていなかったりすれば、すぐにメールマガジンの登録は解除されてしまいます。メールマガジンを継続してもらえるように、顧客とどのような関係を結ぶのかを考えながら、内容を詰めていきましょう。
4 動画
YouTubeの利用が広がっていることもあり、急増しているのが動画コンテンツです。動画コンテンツを用いたマーケティングは、「ストーリー性」が大きなポイントとなります。自社のオリジナル商品や新サービスには、開発秘話や企画実現に至った物語が必ずあるはずです。また、経営者が直接、動画で思いを語ることも、企業のメッセージを打ち出すには有効かもしれません。
動画コンテンツは、インプレッション数、ビュー数、SNSへのシェア数、クリック数などから、客観的な効果測定ができますので、デジタルマーケティングにおいて活用しやすいといえます。
ただし、機材の有無など、制作環境によってコンテンツの質に大きな差が出るのが動画です。デジタルマーケティングに活用することで、顧客のマイナスイメージになることのないよう、動画のクオリティがチェックできる体制を整えましょう。
5 ウェブ広告
デジタルマーケティングの手法のひとつに、ウェブ広告があります。
Googleなどの検索結果に広告が表示される「リスティング広告(検索連動型広告)」は、検索キーワードに即した広告を掲載してくれるため、効率的に見込み顧客にリーチすることができます。費用対効果が算出しやすく、費用をかければすぐに始められる手軽さも、リスティング広告の特徴です。一方で、より効果的に運用するには、専門知識が必要です。外注に相談することも視野に入れながら、リスティング広告の効率的な運用を目指しましょう。
リターゲティング広告は、すでにウェブサイトを訪問したことがあるユーザーに対して、関連性の高い広告を表示する手法です。ユーザーの訪問したページにもとづいて関連した広告を届けられるため、コンバージョンにつながりやすいデジタルマーケティング手法といえるでしょう。
ただし、ウェブ広告は費用が高騰するケースがあります。費用対効果が合っているのかどうか精査しながら、広告費用を投じなければならないため、注意してください。
6 IoT活用
IoTとは「Internet of Things」の略で「モノのインターネット」を意味しています。パソコンやスマートフォンなど、従来の通信機器ではなく、極小のセンサーなどを用いることで、家電などあらゆるモノをインターネットにつなげる仕組みのことをいいます。
具体的な事例としては、スーパーやコンビニエンスストアでの「IoTデジタルPOP」が挙げられます。顧客は、IoTデジタルPOPにスマートフォンをかざすことで商品に関する情報を受け取ることができ、店舗側もその情報をマーケティングに活かすことができます。
そのほかにも、自動車のIoT化で保険会社が顧客の運転状況をつかんだり、スタジアムの音をデータ化して試合中の熱狂度をデータ化し、リピート施策に活かしたりするなど、IoTの活用によって、アイディア次第で従来にないデジタル―マーケティングを実現できます。
デジタルマーケティングを行う際のポイント
デジタルマーケティングを効果的に行うには、いくつかのポイントがあります。ひとつずつ解説していきましょう。
ターゲットとなるユーザーを理解する
デジタルマーケティングを行う際には、自社の商品・サービスのターゲット層をよく理解することが大切です。性別や年齢、年収、家族構成などの基本的な情報に加えて、一日をどんな風に過ごしているのか、どのような情報と日々接しているのか、商品・サービスを購入する理由は何かなど、イメージを膨らませていきます。
ターゲットの顧客層の理解を深めるほど、デジタルマーケティングの精度も上がります。デジタルマーケティングが一人よがりにならないよう、ターゲットと近い人たちにアンケートやインタビューを実施するなどして、リアルな声を取り入れることをおすすめします。
KPIを明確にする
デジタルマーケティングを行うことでどんな目的を達成したいのか、KPI(Key Performance Indicators:重要業績評価指標)を明確にするようにしてください。KPIを立てることができれば、アクセス数やCVR(コンバージョン率)を達成するためには、どんなデジタルマーケティング手法を用いればいいのか、やるべき施策が見えてきます。
さまざまな部署と連携する
デジタルマーティングには、ウェブサイトの管理はシステム部、顧客管理は営業部など、さまざまな部署が横断的に関わることになります。連携不足によって、ちぐはぐなマーティング施策にならないよう、共有の仕方をルール化しておきましょう。
また、1つの部署に労力が集中してしまうと、頓挫してしまいがちです。全員でデジタルマーティングに携わっていくという雰囲気づくりも、長く続けるためには大切となります。
ツールで自動化させる
単純な作業はできるだけ自動化させることで、効率的にデジタルマーケティングを実施することが可能です。デジタルマーティングに使える無料のオートメーションツールには、さまざまな種類があります。「資料請求をしたユーザーは重要な見込み顧客の分類に振り分ける」「ユーザーの属性によって異なるメールを送る」といった作業も、ツールを用いることで簡略化できます。
どうしても本業が忙しいと、後回しになりやすいのがデジタルマーティングです。無料ツールをフル活用して、作業効率を高めていきましょう。
このように、これまで人の手で地道に行っていた業務や、とても人手では処理できないような膨大な作業を自動化させて、効率を高める仕組みのことを、マーケティングオートメーション(Marketing Automation)といいます。
顧客ニーズに合ったメールを配信したり、顧客解析のコストと作業負担を軽減したりと、マーケティングオートメーションの実例はさまざまです。自社に適した形で、マーケティングオートメーションを実現させてください。
デジタルマーケティングを活用して、商品・サービスを届けていこう
デジタルマーケティングは、さまざまな数値を分析し、施策の結果を把握することができます。デジタルマーケティングを活用することで、適した顧客に適した商品・サービスを提供できるような施策が実行できるのです。一方で、個人情報保護の観点から、ユーザーのサイトの利用設定を記憶するCookieへの規制が強まっています。
これらの動きを注視しながら、どのようにデジタルマーケティングを活用して、自社の商品・サービスを届けていくかを考えていきましょう。
なお、ナイルでは、SEOを中心にデジタルマーケティングについてサポートさせていただくことが可能です。まずは、お気軽にご相談ください。
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