サイトリニューアルの要件定義を解説!9つの必須要素とは?

サイトリニューアル 要件定義

サイトリニューアルを進めていると、関係者からの要望で改修箇所が膨大になってしまったり、リニューアル期間が延びてしまったりしがちです。そうすると次第にサイトリニューアルの目的があいまいになり、プロジェクトが破綻してしまうことにもつながりかねません。こういった事態を防ぐためにも、あらかじめサイトリニューアルの要件定義を固めておくことが重要になります。

ここでは、サイトリニューアルにおける要件定義の進め方や作る際のポイントについて解説します。

サイトリニューアルに必要な要件定義とは

要件定義とは、サイトリニューアルの際に「どのようなコンセプトにするか」「どのような機能を実装するか」「スケジュールと予算はどのくらいか」といった要望や条件をとりまとめることです。ウェブ担当者がシステム会社や制作会社と連携し、サイトリニューアルのイメージを具体化していくのが一般的です。

要件定義が十分に行われていないと、サイトリニューアルで実装すべき機能が抜け漏れてしまったり、想定していた効果を発揮できなかったりと、失敗につながってしまうリスクがあります。リニューアルの効果を最大化するためにも、課題を網羅的に解決する要件定義を行いましょう。

要件定義の進め方

要件定義はウェブ担当者が一人で作成するのではなく、社内の関係者やシステム会社・制作会社などと連携して進めていく必要があります。それでは、要件定義の進め方を具体的に見ていきましょう。

サイトリニューアル 要件定義

情報を集めて課題を整理する

まずは、サイト分析や競合分析、社内関係者へのヒアリングなどを通して、サイトの課題を整理していきます。「PV数が少ない」「コンバージョン率が低い」といった定量的な課題はもちろんのこと、「サイトが使いにくい」「必要な情報が見つからない」といった定性的な課題を発見するために、ユーザーアンケートなどを実施するのもいいでしょう。

洗い出した課題は「UI」「コンテンツ」「SEO」といったようにカテゴリごとに分類し、改善幅や緊急性に応じて優先順位をつけます。スケジュールや予算に応じて優先順位の高いものから実装・改善していくのが、サイトリニューアルの基本です。

関係者と打ち合わせする

システム会社やウェブ制作会社など、サイトリニューアルの実装を依頼する会社と打ち合わせを行います。整理した課題を共有し、なぜサイトリニューアルを実施したいのかを伝えることで、具体的な機能や対策を提案してもらえるでしょう。また、ヒアリングに応じることで自社では見つけられなかった新たな課題が発見できる可能性もあります。

仮説を立ててリニューアルの方向性を決める

システム会社やウェブ制作会社とともに、課題に対する仮説を立ててサイトリニューアルの方向性を決めていきます。

ペルソナやカスタマージャーニーなどを考えてターゲットを明確にし、そのターゲットが最終的にどうなってほしいのかゴールを定めておくと、サイトリニューアルの方向性がブレないためおすすめです。「新規の見込み顧客を増やす」「サイト経由の受注額を増やす」といったゴールに対し、どのような施策が有効かを考えていくと、具体的なアイデアが浮かび上がってくるはずです。

合意形成する

社内でサイトリニューアルのプレゼンテーションを行い、合意形成をしておきます。合意形成の際はサイトリニューアルの目的やメリット、リスクを明らかにして、情報を伝えましょう。

要件定義書にまとめる

要件定義の内容を要件定義書にまとめます。サイトリニューアルの目的やコンセプト、ターゲット、サイトの構成や機能などを文書化しておくことで、内容を振り返ることが可能になり、ゴールを明確にしながらサイトリニューアルを進行できます。

サイトリニューアルを成功させるための要件定義のポイント9選

サイトリニューアルを成功させるためには、以下の9つのポイントを押さえた要件定義を行いましょう。要件定義を作成した後に、チェックリストと照らし合わせて抜け漏れがないか確認してください。

1 プロジェクトの概要は?
  • リニューアルの目的が明記されている?
  • リニューアルで実装する機能やスケジュールが明記されている?
2 サイトリニューアルの目的は?
  • リニューアル前の課題が記されている?
  • リニューアルの目的や目指す効果が明確になっている?
3 サイトリニューアル後のサイトのコンセプトは?
  • ターゲットは誰?
  • ターゲットに伝えたいメッセージがまとめられている?
4 サイトリニューアルの費用はどのくらい?
  • リニューアルの予算が明記されている?
5 リリース日時はいつ?
  • リニューアルの公開日時の詳細が明記されている?
6 サイトの構成と機能の内容は?
  • サイトマップが記されている?
  • リニューアルで実装する機能がまとめられている?
7 サイトの環境は?
  • 開発言語は何にする?
  • どんなソフトウェアを導入する?
  • 元々のサイトの環境は明記されている?
8 サーバーやドメインなどのインフラ環境は?
  • サーバーは何を使う?
  • ドメインは維持する?変更する?
  • セキュリティ環境のレベルは?
9 運用方針はどうするか?
  • リニューアル後は誰がどのように運用する?
  • 保守運用を外注する場合、どの範囲まで依頼する?

1 プロジェクトの概要は?

サイトリニューアルのプロジェクトの概要をまとめます。目的やコンセプト、実装機能など、この後に紹介するポイントを簡潔にまとめ、一目で内容がわかるようにしておきましょう。長期にわたってサイトリニューアルに携わっていると、当初決定した目的の理解があいまいになってしまってしまいがちです。そのような際にプロジェクトの概要を振り返れば、初心を思い出すことができるはずです。

2 サイトリニューアルの目的は?

サイトリニューアルをするに至った理由やその目的を明記します。「サイト経由の問い合わせ数に課題がある」「そのために新規見込み顧客のアクセス数を増やし、エンゲージメントを高めて問い合わせにつなげる」といったように、サイトリニューアルの目的を整理することで、機能実装やサイト改善の方向性が明確になります。

3 サイトリニューアル後のサイトのコンセプトは?

どのようなターゲットに、どのようなメッセージを伝えるか、といったサイトのコンセプトをまとめます。サイトのコンセプトによって必要な機能は変わりますし、適したサイトデザインも異なってきます。コンセプトを明確にすれば、キャッチコピーやデザイン、コンテンツなど、細かな部分までブレずにリニューアルすることができます。

4 サイトリニューアルの費用はどのくらい?

サイトリニューアルにかけられる予算は、無尽蔵ではありません。限られた予算の中でリニューアルの効果を最大限にするためにも、かけられる費用は要件定義の中で明記しておきましょう。予算を明らかにすることで、改善効果の大きい施策から優先的に実施できるようになりますし、不必要な機能を実装してコストを浪費するリスクを減らすことができます。

5 リリース日時はいつ?

リリース日時を記します。「〇月〇日〇〇時に公開」と詳細まで設定することで、逆算して開発スケジュールを組めるようになります。一方、規模の大きいサイトリニューアルになると、数ヵ月は開発に時間をかける必要があるため、システム会社やウェブ制作会社と調整して、現実的なリリース日時を設定するようにしましょう。

6 サイトの構成と機能の内容は?

サイトのページやコンテンツの構成をまとめたサイトマップや、リニューアルで実装・改善する機能の内容をまとめます。サイトマップがあれば、必要なコンテンツの抜け漏れを防ぐことができます。また、機能をまとめることで後の効果検証にも役立ちますし、詳細なシステム設計の際のガイドラインとしても活用できます。

7 サイトの環境は?

サイトリニューアルの開発言語や導入するソフトウェアといった構築環境をまとめます。現状使用しているサイトの環境から変更する際は、元の環境も明記しておくことで後々課題が発生した際にも対処しやすくなります。

また、将来のリニューアルやサイト改善の際にも、どのような環境で構築すべきかの参考になります。

8 サーバーやドメインなどのインフラ環境は?

サーバーやドメイン、セキュリティなどのインフラ環境についてまとめます。サーバーには無料のものもありますが、容量が小さかったり勝手に広告が表示されたりといったデメリットも存在します。

規模の大きいサイトであれば、有料サーバーを利用することをおすすめします。ドメインは新規で取得することも、現状のものを継続して利用することも可能です。ドメインを新規取得した際は、SEOの評価がゼロからの出発になるなどデメリットもあるため、システム会社などと相談してどのようにすべきか決定しましょう。

氏名・住所やクレジットカード情報といった個人情報を扱うサイトの場合、高度なセキュリティ環境の構築が求められます。システム会社などに相談し、セキュリティ環境の予算も確保するようにしましょう。

9 運用方針はどうするか?

サイト運用を誰がどのように行うのか、保守運用は外注するのかといった運用方針をまとめます。保守運用を外注する場合、どの範囲までを依頼するのかも明記することで、後々のトラブルを防ぐことができます。

要件定義をまとめてサイトリニューアルを成功させよう

要件定義は、サイトリニューアルを成功させるための基盤と言っても過言ではありません。今回紹介した要件定義のポイントを押さえて、現状の課題を解決するリニューアルへとつなげましょう。また、専門的な内容で判断が難しい部分に関しては、システム会社やウェブ制作会社、ウェブコンサルティング会社などに相談して方針を決定するようにしてください。

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