ROLIのラジカルに新しいキーボード楽器SeaboardにシリーズAで$12.8Mが集まる

Seaboard GRANDは、まったく新しいタイプのキーボード楽器だ。柔らかいゴムでできたキーを、ギターの弦をベンドするときのようにベンドして音を作る。これまでのキーボード楽器とは、まるっきり違う。とりあえず、下のビデオを見ていただこう。

しかしこれほど変わった楽器は、通常なら投資の対象になりにくい。ところが今日(米国時間5/21)は、SeaboardのメーカーのROLIが、シリーズAで1280万ドル(760万ユーロ)を調達したのだ。このラウンドの幹事会社はBalderton Capital(LoveFilmとKobalt Music Groupにも投資)、これにFirstMark Capital(PinterestとShopifyに投資)、Index Ventures(SonosとSoundCloudに投資)、それに戦略的投資者としてUniversal Musicも投資している。音楽的に大きな将来性あり、ということか?

これは楽器会社への投資としては相当大きい方で、ROLIのファウンダでCEOのRoland Lambによると、その資金は、このキーボード楽器の需要に応えるための生産能力の拡大と、拡大のスピードアップに充てられる。

ROLIの今後の生産計画の中にある、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせから成る製品系列の中で、Seaboardはその初めての製品なのだ。だから、生産能力の整備拡充もこれからの課題となる。

同社はとりわけ、同社のサウンドエンジンEquatorの活用を考えている。このサウンドエンジンは、楽器はもとより、ありとあらゆる種類の3Dデバイスや機器類に組み込める。投資家が目をつけたのも、実はこっちの方だ。

ハーバードで中国古典文学とサンスクリット哲学を専攻したLambは、その後日本の禅寺で修行を積み、ジャズピアニストとして生活を支えた。彼がSeaboardを発明したのは、イギリスのRoyal College of Artで、Ron Aradの下でデザインを学んでいた2009年のことだ。下宿で作ったプロトタイプがエンジェル資金を獲得し、2012年にROLIを創業した。ROLIのチームは出だしの3名から今では33名になっている。

彼によるとSeaboardは、“マルチタッチで三次元の製品だが、まだ始まりにすぎない”。つまり、ROLIからは今後、いろんな製品が続々出てくる、ということだ。

BaldertonのDaniel WaterhouseはROLIについてこう言う: “ロンドンでは多様なスキルが、これまで類例のなかった形で融合することによって、次世代のテクノロジ企業が創りだされている。ROLIもその典型の一つだ”。こういう非常に独特な技術は、ほかのところでは生まれない、と彼は考えている。彼はたぶん、正しいのだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。