宇宙商社Space BDが10.4億円調達、SpaceX「Falcon9」ロケット衛星打上げ枠の利用権確保など宇宙輸送手段拡大

宇宙商社Space BDが10.4億円調達、SpaceX「Falcon9」ロケット衛星打上げ枠の利用権確保など宇宙輸送手段拡大

宇宙産業における総合的なサービスを展開する「宇宙商社」Space BDは12月1日、第三者割当増資による総額10億4000万円の資金調達完了を発表した。引受先は、既存株主であるインキュベイトファンド、アニヴェルセルHOLDINGS、SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタル、これに新規株主として、シンガポール政府系投資会社Temasek Holdings傘下のPavilion Capital PTE. LTD.が加わっている。融資も含めた累計調達金額は、18億9000万円となった。

2017年設立のSpace BDは、JAXAの初の民間開放案件「国際宇宙ステーション『きぼう』日本実験棟からの衛星放出事業」に採択されたことを機に、船外プラットフォーム利用事業、微小重力環境を活用するライフサイエンス事業、H-ⅡA/H3ロケット相乗り打上げ事業と、JAXAとのパートナーシップを軸にした事業を進めてきた。現在は、衛星打上げ事業のほか、宇宙をテーマとした地域産業振興、教育および人材育成事業、技術プロジェクトマネージメントなどを展開している。

今回調達した資金で、Space BDは「国内外の多様な打上げ手段の確保による衛星打上げサービスの拡大」と、人材採用と組織力の強化を行うとしている。特に打ち上げ手段に関しては、2021年11月にSpaceXのFalcon9ロケットの利用権を確保するなど、調達の幅を広げている。

「プロジェクトごとに異なる課題・目的に対し、ゼロからの事業立案・実行と技術的な支援をワンストップで提供することで、当社の設立理念である『宇宙を日本発で世界を代表する産業にする』に向けて邁進してまいります」とSpace BDは話している。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。