無人機(drone, ドローン)は今やなんでもできる。ホテルの部屋にシャンペンとクッキーを配達してくれるし、 チョコレートを胃袋に運んでくれるし、どこまでもどこまでもあなたのあとをついてくる。そして今度の無人機は、地図のどこかをクリックすると、そこへあなたを連れてってくれる。
スイスのデベロッパJan Hiersemenzelが4月にローンチしたTravelByDrone(無人機による旅行)は、無人機が上空から見た各地の風景を見せてくれる。このサイトは要するにいろんな人…無人機マニア…がアップロードしたYouTubeビデオのデータベースで、データベースに対するクェリを、言葉ではなく、Google Mapsの上の場所指示アイコン(上図)のクリックで行う。するとデータベースは、まさにその場所を無人機で撮影したビデオを、見せてくれるのだ。
Hiersemenzelは、無人機にとりつかれている。彼は1年あまり、無人機による航空写真に取り組み、ビデオを数百も撮り、いろんな無人機を試してみた…DJI Phantom Visionがとくにお気に入りだ。しかし彼によると、まだ、世界中のクールな場所を無人機で撮影したビデオのデータベースがどこにもない。
“Google MapsのStreet Viewが登場したとき、ぼくも友だちも夢中になった。世界中を旅して、これと同じことをしたいと思った。いや、無人機を使えば、それがもっと簡単にできる”、と彼は語る。
彼のサイトは、とてもクールな航空写真を集めている。私ならたぶん、数時間は楽しめそうだ。Hiersemenzelはサイトの検索バーをちょっと細工して、スイスからの長距離電話でこう言った: “火山の噴火口の真上から無人機で撮ったのがあるよ”。
それが、下のビデオだ。無人機がフィジー島の火山の真上に来たとき、ちょうど噴火する。なかなか、すごい。
そしてもう一つ。下のは、サンフランシスコのツインピークス(Twin Peaks)から見た日の出だ:
世界中の無人機ファンが毎日、約100から200本のビデオをHiersemenzelと彼のチームに送ってくる。今では多すぎるので、彼またはチームの誰かが良いのだけを選ばなければならない。
彼は、無人機にネガティブなイメージを結びつけたくないので、軍事に関連するビデオはすべて排除している。低品質なのや、コマーシャル的なのも排除。ただしごく一部に、GoProなどの広告ビデオがある。
たくさんビデオのある場所もあれば、YouTubeを禁じている北朝鮮みたいにまったくないところもある。でも今後、もっともっとビデオが集まれば、“ない場所”は徐々に減っていくだろう、と彼は期待している。
彼に、私の故郷のユタ州も無人機ビデオがまだないわ、と言った。彼曰く、“じゃあ、撮って送ってよ!”。彼は国立公園の場所などを教えてくれたが、無人機が国立公園の上を飛ぶことを禁じているところもあるから、実際の撮影は難しい。
でもHiersemenzelのサイトは、旅行ビデオを楽しむサイトとしても、また世界に関する教育的サイトとしても良くできている。最近ユタ州の南部では、無人機が原始時代の岩面彫刻を見つけた(下のビデオ)。それは、ハイカーたちが下から見たのでは見えない場所にあった:
TravelByDroneは、今のところ単なるWebサイトで、ビデオの下部の広告以外の収入源はない。そのサイトはときどき、とても遅い。でもHiersemenzelと彼のチームはモバイルアプリも準備中だし、サイトの改良にも努めている。今このサイトは、世界中から毎日約6万のビューがあるそうだ。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))