データベースサイトとは、ECサイトや求人サイトなど、大量の情報をまとめてユーザーに提供するサイトのことです。
データベースサイトは、記事が中心のオウンドメディアとはSEOの取り組み方が大きく異なります。
そこで本記事では、データベースサイトでのSEOの流れと成功させるためのポイントを紹介します。
なお、ナイルではデータベースサイトのSEOのコンサルティングサービスを行っています。ご興味のある方は、下記の資料をチェックしてみてください。
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データベースサイトとは?
データベースサイトとは、大量の情報を集約して、ユーザーが閲覧しやすいようにまとめたウェブサイトのことを指します。
主なジャンルと代表的なサイトは、下表のとおりです。
データベースサイト一覧 | |
ジャンル | 代表的なサイト |
総合ECサイト | Amazon、楽天 など |
求人サイト | タウンワーク、Indeed など |
不動産サイト | SUUMO、HOME'S など |
グルメサイト | 食べログ、ぐるなび など |
旅行サイト | JTB、トラベルコ など |
美容サイト | ホットペッパービューティー、アットコスメ など |
データベースサイトは、一般的に「トップページ>一覧ページ>詳細ページ」という階層構造になっています。
例えば、Amazonで本を探す場合、「トップページ」から「本のジャンルページ」にいき、気になった本の表紙をクリックすれば、「詳細な情報」が見られます。
また、データベースサイトは「ページ数が非常に多くなる」ことも特徴です。
SEOに取り組む上では、記事が中心のメディアのように、丹精を込めて1ページずつ作っていられません。
このため、データベースサイトのSEOは、サイト構造や各ページに掲載する情報の見直しがメインになります。
データベースサイトでSEOに取り組む流れ4ステップ
データベースサイトでSEOに取り組む際の、4ステップを紹介します。
それぞれの工程の詳細を、見ていきましょう。
ステップ1 サイトに必要なページを取り上げる
最初のステップは、サイト内にどのようなページが必要になるのかを考えることです。
データベースサイトで必要になるページには、大きく「TOPページ」「一覧ページ」「詳細ページ」の3種類があります。
ここでは、特に「一覧ページ」をどこまで分類して作るのかを検討します。
例えば、アパレルECサイトを運営する場合、どの条件でユーザーが調べるのか考えてみましょう。
【アパレルECサイトでユーザーが調べるキーワード例】
- サイズ
- 色・柄・素材
- 人気・おすすめ
- セール
- ブランド
など
おすすめしたいのは、この段階でキーワード調査をして、サイトを通じて上位表示を狙うキーワードを選定しておくことです。
例えば、調査の結果「ジーンズ ブラック」というキーワードで上位表示を狙うことになった場合は、黒のジーンズだけをまとめたページが必要になります。
また、その他サイズや、スリムフィット・テーパード・ストレートなどのタイプ別商品一覧が閲覧できるページも必要でしょう。
SEO観点では、「ユーザーはどのようなキーワードで検索しているのか」を調査しながら必要なページを考えていきます。
ユーザビリティ観点では、ユーザー目線を考慮したサイト設計をすることが大切です。
ステップ2 商品ページに掲載する情報を考える
ステップ2では、「詳細ページ」に載せる情報を考えます。
例えば、ECサイトの場合、各商品ページには、下記のような情報が掲載されることが多いです。
【ECサイトの商品情報例】
- 商品名
- 商品の画像
- 金額
- 商品の特徴
- 口コミ
- 在庫状況
など
検討する際は、「ユーザーは商品を購入するにあたって、どのような情報を求めているのか」をイメージしましょう。
ユーザーの求める情報を網羅できれば、購入につながる可能性が上がります。ただし、ページ内の情報量が多すぎても見づらくなるため注意が必要です。
また、すべてのページにおすすめポイントなどを書けるといいのですが、工数的にも難しいということがあるはずです。
そういうときは、「データベース上にある情報」を上手く活用できないか検討してみましょう。
もし、その商品を管理する際に「着心地」などのデータが結びついていれば、わざわざ手入力しなくとも、自動で出力できるからです。
見やすさを最優先に、「必要な情報をあまり工数をかけずにページに載せる」という点をしっかりと考えてみてください。
ステップ3 KWとUXを考えた構造の設計をする
続いての工程は、KW(キーワード)とUX(ユーザーエクスペリエンス=体験)を考えたサイトの階層構造を検討することです。
データベースサイトは基本的に、「トップページ>一覧ページ>詳細ページ」という構造になっていますが、ここでは「一覧ページ」をどこまで細分化するのかを考えます。
例えば、アパレルECサイトの場合、以下のような複数の構造が候補に挙がります。
【アパレルECサイトの複数の構造例】
(1) | トップページ>メンズ>トップス>Tシャツ>詳細ページ |
(2) | トップページ>メンズ>トップス>シャツ>Tシャツ>長袖>詳細ページ |
サイト構造を検討する際は、ステップ1で検討したことをもとに、「狙うキーワード」と「ユーザビリティ」の2つのポイントを考慮してください。
ポイント1 狙うキーワードを考慮する
まず、「狙うキーワード」の面では、上位表示を狙いたいキーワードに応じてカテゴリを決めると、SEOが成功しやすくなります。
例えば、「Tシャツ メンズ 長袖」というキーワードを狙うのであれば、Tシャツを「メンズ/レディース」「半袖/長袖」で分類できるような構造にすることが望ましいです。
ステップ1で実施したキーワード調査の結果をもとに、「ユーザーはどのようなキーワードを掛け合わせて検索するのか」を念頭に置いて、サイト構造を検討してみてください。
ポイント2 ユーザービリティを考慮する
「ユーザビリティ」の観点では、カテゴリ分けが大雑把すぎると絞り込みが甘くなり、好みの商品を見つけづらくなります。
このため、基本的には細分化を進めたほうが、ユーザーの好みに合った商品に絞られて表示されるので、欲しいものを見つけやすくなります。
ただし、カテゴリーを選択しながらページを進めていくことを手間に感じる人もいるので、良いあんばいを見定めながらサイト構造を設計しましょう。
構造の設計ができたら、正しい入れ子構造になっているかよく確認します。
「トップページ>メンズ>トップス>スニーカー」のように構造が乱れていると、ユーザーは目当ての商品を見つけられないため、注意が必要です。
その他詳しい情報や注意点については、「パンくずリストとは?WEBサイトの超基本とSEO効果解説資料」で紹介しております。本記事と併せてご確認ください。
ステップ4 少ない手間でページ情報を追加する
サイト構造まで決まったら、順次データを追加して、データベースを充実させます。
すべての詳細ページに手動でデータ入力しようとすると、何千何万ものページへ記載しなければならず、現実的に不可能な作業量となります。
商品の識別番号と紐づけるなどして、サイトに「自社のデータベースの情報」が表示されるようにコードを組むと、少ない手間でページに情報を追加することが可能です。
その上で、特に推したい商品のページには、手動で「おすすめのポイント」や「実際に着用したスタッフのコメント」などの追加情報を入れると、ユーザーの購入の後押しになるはずです。
なお、データベースサイトのSEOについては、下記の記事でもお伝えしていますので、ご興味のある方はチェックしてみてください。
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データベースサイトでSEOを成功させるための4つのポイント
データベースサイトでSEOを成功させるための、4ポイントを紹介します。
各ポイントの詳細を、見ていきましょう。
ポイント1 検索エンジンがクロールしやすいサイトにする
1つ目のポイントは、「クロールを最適化する」ことです。
クロールとは、検索エンジンがサイト内のページの情報を取得することを指します。
検索エンジンにサイト内のページをクロールし、インデックスしてもらわないと、検索結果ページには表示されません。
このため、SEOに取り組む上では、検索エンジンがクロールしやすいサイトにすることが重要といえます。
クロールを最適化する方法の中で、最低限対応しておきたいことは、以下の2つです。
【クロール最適化の方法】
- 方法1 URLを正規化する
- 方法2 検索エンジンがそのページを見つけられるようにする
以下に、それぞれの方法を詳しく解説します。
方法1 URLの正規化
まず実施しておきたいのが、「URLの正規化」です。
URLの正規化とは、内容が重複するページの中で、どのURLを検索エンジンに評価してもらうのか示すための施策です。
サイトを運営していると、「www」や「/」の有無などの違いで、下記のように同じ内容のページのURLが複数に分かれてしまっていることがあります。
【URLが複数に分断している例】
(1) | https://www.example.com/ |
(2) | https://example.com/ |
この状態だと、被リンクの評価が分散したり、クロールの妨げになったります。そのため、なるべく早めにURLの正規化をすることをおすすめします。
URLの正規化の方法には、「301リダイレクト」と「canonical」の2つがあります。正規化の詳細については、下記の記事を参考にしてみてください。
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方法2 検索エンジンがそのページを見つけられるようにする
検索エンジンにサイトを見つけてもらうためには、クロールの最適化を行いましょう。
クローラーはウェブページをすべて巡回できるわけではありません。そこで以下を実施することで、効率よくクローラーに巡回してもらえるようになります。
【クローラーが効率よく巡回できる対策】
これらの方法は、サイトを運営し始めてしばらく経ってから実施しても遅くありません。
クロールの最適化については、下記の記事でもお伝えしていますので、ご興味のある方は併せてご覧になってみてください。
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なお、ここまで記事を読んでいただいて「自社で対応するのは難しい」と感じられた場合は、お気軽にナイルまでご連絡ください。
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ポイント2 スムーズなインデックスを促す方法を実行する
データベースサイトでSEOを成功させるためのポイントの2つ目は、「スムーズなインデックスを促す」ことです。
インデックスとは、検索エンジンがクロールで取得したページをデータベースに登録して整理することを指します。
検索エンジンは、そのデータベースの中からキーワードに応じた検索結果を表示しています。
そのため、ページがインデックスされていなかったり、正しく認識されていなかったりすると、狙ったキーワードでの上位表示は難しいです。
そこで、検索エンジンがスムーズにインデックスできるサイトにする工夫が必要になります。具体的には、下記のような方法が有効です。
【検索エンジンがスムーズにインデックスできる方法】
- 方法1 検索エンジンがページ内容を把握できるようにする
- 方法2 タイトルや代替テキストの設定をする
- 方法3 ページ内に内部リンクを設定する
- 方法4 Google Search Consoleでインデックス登録をリクエストする
それぞれの方法を、詳しく見ていきましょう。
方法1 検索エンジンがページ内容を把握できるようにする
まず実施しておきたいのが、「検索エンジンがページ内容を把握できるようにする」ことです。
具体的には、ページのタイトルと内容に整合性があることを意識してください。
ページのタイトルと内容に整合性がないと、検索エンジンはそのページを正しく認識できません。
このため、ページタイトルは簡潔で、内容を正しく表す文言にすることをおすすめします。
方法2 タイトルや代替テキストの設定をする
インデックスをスムーズにさせるための方法の2つ目は、「タイトルや代替テキストの設定をする」ことです。
ページのタイトルは、HTML<head>内の<title>~</title>というタグで囲まれた部分に記載します。詳しい記述方法については、下記の記事を参考にしてみてください。
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また、検索エンジンはページ内に画像や動画だけ貼られていても、「何を表す画像・動画なのか」を完璧には認識できません。
そこで、「内容を示す代替テキスト(alt属性)」を入れることで、検索エンジンに画像や動画が認識されて正しくインデックスされやすくなります。
方法3 ページ内に内部リンクを設定する
スムーズなインデックスを促すためには、「ページ内に内部リンクを設定する」ことも大切です。
検索エンジンは、サイト内のリンクをたどってページをインデックスします。このため、内部リンクが設定されていないページは、インデックスされづらいです。
そこで、サイト内の関連するページは内部リンクでつなぐことを意識しましょう。
方法4 Google Search Consoleでインデックス登録をリクエストする
最後に紹介する方法は、「Google Search Consoleでインデックス登録をリクエストする」ことです。
ここまでお伝えした対策をしても、なかなかページがインデックスされないことがあります。
そのような場合は、Google Search Consoleで下記の操作を行い、インデックス登録をリクエストしてみてください。
【Google Search Consoleのインデックス登録リクエスト方法】
- ステップ1 Google Search Consoleを開いて「URL検査」をしてみる
- ステップ2 インデックスされていなければ、「インデックス登録をリクエスト」をする
以上、検索エンジンにスムーズにインデックスしてもらうための施策を紹介しました。インデックスについては、下記の記事も参考にしてみてください。
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ポイント3 PLP が一致していることを定期的に確認する
データベースサイトでSEOを成功させるためには、「PLPを管理する」ことも大切です。
PLP(Preferred Landing Page)は「優先的ランディングページ」という意味で、特定のキーワードで検索されたときに、優先的に表示させたいページのことを指します。
例えばグルメサイトの場合、「品川 イタリアン」というキーワードで検索されたときには、「品川駅付近のイタリアンレストラン一覧ページ」を検索結果に表示させたいと考えられます。
しかし、「サイトのトップページ」が表示されてしまうケースがあり、ユーザーがそこからサイトへ流入しても、自身で品川駅付近のイタリアンに絞り込まなければなりません。
これを手間に感じたユーザーは、ページから離脱してしまう可能性があります。
そのため、PLPが一致していることは定期的に確認するようにしましょう。
もしPLPが一致していない場合には、表示させたいページがインデックスされているかどうか、以下2つの方法で確認します。
【表示させたいページのインデックス確認方法】
- Google Search Consoleで確認する
- 検索エンジンに「site:調べたいページのURL」を入れて検索する(インデックスされていれば、結果ページに表示される)
インデックスされていなかった場合には、ポイント1、2で紹介した「クロールとインデックスの最適化」の施策を試してみてください。
インデックスされていた場合には、該当ページを修正します。
タイトルタグやメタディスクリプションに狙うキーワードを適切に入れたり、検索したユーザーが求める情報を追加したりすることで、PLPが一致するようになります。
ほかにも、表示させたいページに内部リンクを集中させるなど、サイト内での評価を上げることも重要です。
ポイント4 KWとカテゴリーがマッチしているか確認する
最後のポイントは、サイト構造の「カテゴリーを見直す」ことです。
ここでは、「狙うKW(キーワード)」と「カテゴリー名」がマッチしているかを確認します。
例えば、ファッション系ECサイトで「冬物 ジャケット」というキーワードで上位表示を狙う場合、カテゴリー名が「ジャケット」ではなくて「アウター」になっていると、上位に表示されにくい場合があります。
この場合は、新しく「ジャケット」というカテゴリーを作るなど、「ユーザーがよく使う言葉」と「サイトで使用する言葉」をなるべく合わせる対策を検討してみてください。
データベースサイトでSEOに注力して上位表示を達成しよう
データベースサイトでSEOを行う場合には、ウェブサイトの仕組みや構造に関する知識が必須です。
本記事の内容を参考にして知識を得た上で、自社のSEOに取り組んでみてください。
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