5000万ドルの資金調達からわずか数か月で、このモバイルのネットショッピングサイトWishに、評価額約10億ドルでほぼ1億ドルの調達案件がある、と複数のソースが言っている。それがほんとなら同社は、早くもユニコーン*の仲間入りだ。〔*: unicorn, 2003年以降創業で評価額10億ドル以上の合衆国のスタートアップ…全スタートアップの約0.7%。〕
どうやら、モバイルでショッピングする人がとても多くなっているのだ。
Wishをサンフランシスコで立ち上げたのは、元GoogleやYahooやFacebookにいたPeter SzulczewskiとDanny Zhangだ。そのインタフェイスはPinterestに似ていて、アルゴリズムと機械学習の技術を駆使してユーザの趣味嗜好を把握し、各人の好みに合った製品を紹介する。
Pinterestも今年の初めに、ユーザの好みや関心に合わせた個人化を導入したが、コマースには力を入れなかった。一方Wishは、アルゴリズムの力で物を売るサイトだ。
6月に5000万ドルのラウンドを記事にしたときは、アクティブユーザ数が3100万、ここを利用して物を売る企業やお店は1万を超えていた。同社は、売上額の15%を取る。
これだけのユーザと売上があれば、成熟期のスタートアップに投資するロシアの投資企業Digital Sky Technologiesなどが目をつけるのも当然だ(某情報筋による)。
App AnnieのデータによるとWishのモバイルアプリはiTunes App Storeの上位200位以内につねにいて、Lifestyleの部門では10位以内や20位以内にいることもある。Androidでも、上位200位以内に定着、ショッピング部門では10位以内定着だ。
4月に本誌が書いたように、Wishはヴァリューショッパー(価格に対する価値に厳しい人)を主なターゲットにし、Alibaba上のお店に西欧のモバイルのお客を結びつけようとしていた。Szulczewskiはそのとき、Wishのユーザはヨーロッパと北米が半々、と言っていた。
Springのような高級ファッションと違ってWishやアジアの同類Koudaiは、安価なカジュアルファッションが中心だ。
WSJの記事によると、前回の調達時には評価額が4億ドルだった。それはFounders Fundがリードして、既存の投資家Formation 8やGGV Capital、Yahooの協同ファウンダJerry Yang、Jared Leto、Legend Capitalらが参加したラウンドだった。
Wishがハイペースで富裕になりつつあるのとは対照的に、スタートアップの世界の気候変動を警告する声もある。Marc AndreessenとBill Gurleyは共に、ソーシャルメディアや印刷メディア上で、バーンレート(burn rate, 資金が費消されていく速さ)の高さと、向こう見ずなほどのハイリスクな起業に対し、警報を鳴らしている。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))