世界初の遺伝子操作ベビーたちが、来年高校を卒業する

SFスリラー映画、「GATTACA[ガタカ]」を覚えているだろうか? まだ見ていないか、90年代後半のポップカルチャーを何らかの理由で避けてきた人たちのために書いておくと、これは1997年に公開された遺伝子操作人間を扱った人気映画だ。そして、同じ年に生まれた、文字通り遺伝子を操作された赤ちゃんたちが、高校3年生になろうとしている。

この目的の遺伝物質移動に最初に成功した例は、1997年に米国医学誌に掲載され、その後2001年にはHuman Reproduction誌に引用された。科学者らは計30体の胎芽を第3者の遺伝物質に挿入した。この方法で生まれた子供たちは、2人の母親から追加のミトコンドリアDNA(mtDNA)断片を受け継いでいる ― これは理論的に3人の親を持つことを意味する。

30人の赤ちゃん全員が健康であるかどうかは未だに不明だ。ニュージャージー州、セント・バルナバ生殖医療科学研究所(IRMS)はこの実験に参加し、今年になって少なくとも17人の今やティーンエージャーとなった子供たちの追跡を始めたと、英国のIndependentが伝えた。本誌はIRMSに連絡を取り、追跡調査の結果を尋ねているが未だ回答はない。

この遺伝子操作されたティーンたちの素性はもちろん健康状態も今はわからないが、デザイナー人間を作ることの倫理は、未だに大きな議論を呼ぶ問題だ。人間の遺伝子を操作することによって、優れた種族の人々を作ったり、好みのビジュアル形質を選んだりすることは、科学者、政治家らの間でいやと言うほど議論されてきた。現在米国食品医薬品局は、胎芽に対するその種の遺伝子操作を許しておらず、それらを「生物薬品」であると解釈して同局の権限下にあると宣言している。2002年に、人間の遺伝子操作行為は終了した。しかし、元来これらの胎芽操作は、もし科学的介入がなければ、重篤な遺伝性疾患を子供たちに伝える恐れのある親たちのために行われた。

このティーンエージャーたちは、操作された遺伝物質を次の世代に渡す可能性がある。したがって、今後この方法で合法的に作られる人間がいないとしても、すでにわれわれは、生物的に操作された遺伝物質を、潜在的に未来人口の大きな部分に影響を与える人々に導入したことになる。本誌は、IRMSがこの若者たちの健康状態について結果を発表した際には、必ず続報する。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


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TechCrunch Japan

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