インハウスSEOをやっているとSEO業者からテレアポがかかってきて、ブログを書くねたに事欠かない。
SEOとは関係のなさそうな業種なのでかかってくるのである。
これは以前「人工リンクだけではないスパムSEO業者の手法」に書いたとおり。
最近のテレアポは実に巧妙で、SEOの営業という意図を秘匿してかけてくる。
あたかも新手法であるかのようなテレアポである。
同じようなネタばかりで恐縮なのだが、注意を喚起しておきたいと思った次第なのだ。
「完全にナチュラルな手法ですので安心です」
「Googleのガイドラインには一切触れません」
「コンテンツSEOという手法なので大丈夫です」
こんなうたい文句がどうやら流行っているっぽい。
実際にその通りであれば問題ないのだが、嘘、まやかしかもしれない。
今回私にテレアポをしてきたのは、業界では有名な悪徳SEO業者。
それに付き合う私も私だが、評判だけで判断するのではなく実際に有用であれば採用してもいいかもしれないと思っているのである。
クライアントが検索順位の1位を占めているキーワードでググらせてみて、検索結果を表示させる。
確かにそこそこなキーワードで1位に表示されていた。
(でもこれって、クライアントの了解はとっているんですかね・・・)
「我々はコンテンツを作り込むことで、このキーワードで1位を獲得しました。」
とテレアポの担当者は言っていた。
このトークには気をつけたほうがいい。
「コンテンツだけでビッグキーワードは獲れない」
と思っておいたほうがいい。
コンテンツで確実にとれるのはスモールキーワードからのアクセスである。
ファインダビリティという用語がある。
SEOにおいてファインダビリティとは、検索結果にどれだけ露出をしているか?
を指している。
ビッグキーワードで上位表示すれば、検索数が多いので当然ファインダビリティは大きく上昇する。
コンテンツSEOによる効果はここにはなくて、様々なスモールキーワードで少しずつファインダビリティを高めることにある。
コンテンツでビッグキーワードを狙ってとることはできない。
コンテンツの増加によって、結果的にサイト全体の評価が上がってビッグキーワードが上位表示することはあるが、それはあくまで「ラッキー」だったということだ。
(面白いコンテンツを作ることによって、口コミを巻き起こしてリンクを集める方法もあるが、これも一種の博打のようなもので確実性はない)
私はその場でOpen Site Explorerを開いてみて、バックリンクを見てみた。
被リンクがバンバンに当たっている。
「これ人工的なリンクではないですか?」
「え?ナチュラルリンクですよ。」
「どう考えても人工ですよね?」
「いえ、一記事一記事手作りで書いてますので人工リンクではありません。」
手作りで書いていれば人工リンクではないという見解にはなかなかしびれるものがあった。
確かに発リンクするページは、アンカーテキストに応じてそれに関連する記事が書かれている。
ワードサラダや、無関係なテキストにアンカーテキストがただ埋め込まれているといった、いかにもバレバレな人工リンクではない。
確かにこれならGoogleを騙しおおせるかもしれないってレベルである。
人工リンクの定義とは何だろう?
それは、
「検索キーワードの順位上昇を狙って作られたリンクのこと」
である。
まさしくそれだ。
文章は確かに手作りであるものの、当たり障りのないことしか書かれておらず、これを読む価値はほぼゼロだ。
被リンクのチェックに慣れてくると、見た目だけで人工リンクかどうかはかなりの確率で瞬間的に見分けられるようになるが、慣れれば瞬時に見分けられるレベルである。
また、ドメイン名も明らかに内容と合致していない。
Wayback Machineで見てみると案の定オールドドメインである。
これを人工リンクと言わずして何という。
「中古ドメインも使われてますし、手作りとは言えコンテンツの内容はないに等しいですよね。」
「そうかもしれませんが、でもやはり被リンクがある程度はないと上がらないですから。」
被リンクがないと上がりにくいということはこれまた事実である。
今でも被リンク重要性は全くと言っていいほど変わっていない。
ナチュラルリンクが付けばいいのだが、今でもGoogleはナチュラルリンクと人工リンクを完全に見分けられないので、上がることは事実である。
まるっきり新規のサイトなどではSEO業者がちょろっとリンクを張ると瞬く間に上がったりとかするし、長年放置されていたような企業サイトでも検索エンジンからのトラフィックが見違えて増えたりする。
結局のところ、このテレアポ業者はコンテンツも作っているものの、人工リンクによる外部施策で上げているのだ。
まあ、今までの見るからに怪しい外部リンクだけで上げる手法よりはましとは言えるが、高いリスクがあり私としてはお勧めはしない。
もし、コンテンツSEOをうたい文句にしているのであればリンクは使うのか?
そこをよく確認する必要がある。
特に順位上昇をうたい文句にするコンテンツSEOは、実際はコンテンツSEOでない可能性が非常に高いので注意せねばなるまい。