最近「ネタ切れです」という話をしたところ、Webutubutu!を運営している稲垣氏からネタを頂戴したのである。
稲垣氏には残念ながらお会いしたことはないのだがWebデザイナーの方である。
ブログを時々読んでいるが、SEOに対する判断・見識においてその辺のナンチャッテSEOコンサルタントなど及びもつかないと思っている。
(自分がナンチャッテであることを自覚していない、あるいはポジショントークをするコンサルタントは非常に有害である)
さて、稲垣氏の質問は色々な人の役に立ちそうな気がするので答えてみることにする。
いただいたネタは以下の通り。
- 制作はこれだけは抑えとけというSEOスキル
- 新規サイトではこれだけはやっとけというSEO的な設定
- 「サイトの順位が落ちたのはなぜ?」と制作が聞かれた際にどこを見てどう判断すればよいのかマニュアル
- サイトと地理的なクエリの結び付きを強化する際の考え方
- SEOを意識して内部に手を入れた際に効果を見るための期間と見方
これらはなかなか制作側からすると知りたいところだろう。
制作はこれだけは抑えとけというSEOスキル
これは大昔に書いたことがあった。2011年10月の記事なのでもう誰も覚えていないだろう。
今読み返してみたが古くなっていなかったので、これを載せておくのだ。
ホームページ制作会社に必要な11項目のSEO知識
新規サイトではこれだけはやっとけというSEO的な設定
これは結構難しい質問である。
サイトの規模にもよるし、サイトの性質によっても変わってくる。
Web担当者Forumの2011年12月の記事「サイトを新設する際のSEOチェックリスト #1 アクセス性・キーワード・コンテンツ」これが近いだろう。内容的には悪くないと思うのだが、今一つピンと来ない感じがするし、不必要な場合が多い項目もある。
他にもサイト開設時のSEOのチェックリスト的な記事はたくさんあったが、内容が古かったり間違いと思える項目があったりして今一つお勧めできる記事が見つからなかった。
そういったわけで、再度記事にしてみたい。ってなわけでもう一回ブログが書けるのである。稲垣氏に感謝である。
「サイトの順位が落ちたのはなぜ?」と制作が聞かれた際にどこを見てどう判断すればよいのかマニュアル
1.ペナルティで下がっている場合と、そうでない場合がある。
2.特定のキーワードが下がっている場合と、全体的に下がっている場合もある。
3.一時的な場合と、長期間にわたって下がっている場合もある。
といった感じで場合分けして考える必要があるだろう。
1.ペナルティで下がっているのであれば、ペナルティの要因を取り除くことで回復が可能だ。
ペナルティかどうかは以前に、
という記事を書いた。
これで全て判定できるとは限らないのだが、かなりこれで判定できるだろう。
ペナルティになってしまった場合は、ユーザー視点で考えてみて無意味あるいは有害であり、検索エンジンからの集客のためにやったことを解消すればよい。
ほとんどのケースであれば、この手のことは自分自身が何をやったかわかっているはずなのでそこを直せばよい。
2.特定のキーワードだけが下がっているケースはアンカー過剰といったケースが多い。
しかし、アンカーテキストは検索順位に大きな意味を持つということを知ると、ついやりがちなのでそのあたりを改善する。
また、品質の低い外部リンクにによってこの問題が起こることがよくある。
その場合リンクを外すといった対応が必要になる。
但し、特定のキーワードで下がってしまっても、自然検索経由全体で見たときの来訪者数はほとんど変化がない時もある。
この場合は、特に対応はする必要はないケースが多い。
何もなくても順位は大きく上下するものなのである。
全体的に下がっている場合は対応が非常に難しい。
何か大きなネガティブな要因があって下がっている場合は、canonicalタグといった検索エンジンに対する指示のタグが間違ってしまっているといった人為的ミス、全体的にコンテンツが薄いといった要因などが考えられる。
コンテンツが薄いと検索エンジンから判断されたような場合は、実際には薄くない場合もあり判断が難しい。
要因がたくさんあり、正直私も分からないケースもある。理由がないとしか言いようのない場合もある。
このケースについてはとてもとても難しいのだが、これまでの知見について後日まとめてみたい。
サイトと地理的なクエリの結び付きを強化する際の考え方
これは所在地を会社概要などに入れるのはもちろんのことなのだが、その近隣地域での様々な活動をコンテンツとして残すのがよいというのが私の経験則である。
原理的に言ってもそれが正しそうだが、実際にこれをやってみると地名系のキーワードで上がるだけではないようだ。
検索クエリによっては地域によって検索順位が変わることもある。
このような施策により該当する特定の地域で検索した場合の検索順位が上昇するケースを見たこともある。
SEOを意識して内部に手を入れた際に効果を見るための期間と見方
これはなかなかに難問だ。
手を入れる度合いによりけりである。
確実によいと思えることでも全く効果が出ない(わからない)場合もある。
例えば、今までh1が設定されていなかったページについて表題をh1にして、h1にキーワードが含まれていたとしても順位が上がるかどうかはやってみなければわからない。
このようなケースであれば、正解であったとしても効果がわからない可能性が高い。
また、色々な施策を行った場合にどれが効果を生み出したのか?
複合的な要因によって効果が上がったかもしれない。
逆に良いはずのことをしても順位が下がる場合もある。
何もしなくても順位が下がる場合もよくあるが、何かの変更を行ったタイミングでたまたま自然的に順位の下落が発生すると、その施策が悪かったと思ってしまうかもしれない。
といったように難しいのだ。
とは言え、SEOの観点から望ましいことをすれば基本的には順位は上昇する可能性が高い。
評価は最低1週間、通常は1ヶ月程度は様子を見る必要があるだろう。
それ以上待っても順位が上がらなければ、その修正は順位上昇に寄与しない可能性が高いと考えてよさそうだ。
さて、今回は5問の質問について書いてみたわけだが、難問だったという印象である。
とは言え、私としても考えるきっかけができたし、また記事のネタができたのでとてもよかったと思っている。
また、続報として個別の問いについて答える記事を書きたいと考えているので、これからもお付き合いの程お願いいたします。