動画を使ったサービスマネジメントツール「ClipLine」開発元がインキュベイトファンドから1億3000万円の資金調達

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ジェネックスソリューションズは3月31日、インキュベイトファンドが手がけるベンチャー投資ファンド「インキュベイトファンド3号投資事業有限責任組合」を引受先とした総額1億3000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。調達した資金をもとに組織体制を強化。自社で開発するサービスマネジメントツール「ClipLine」の開発・機能強化や営業・マーケティングの拡大を進める。

ジェネックスソリューションズは2013年7月の設立。代表取締役の高橋勇人氏は、これまでコンサルタントとしてスシローやダイヤモンドダイニングなど飲食店の経営改善を支援してきた経験のある人物。そのノウハウをもとに開発したのが、動画やスマートフォンアプリを使って多店舗・多ブランド展開型企業のサービスマネジメントを支援するClipLineだ。

これまで高橋氏らが手がけてきた店舗向けの経営コンサルティング事業では、本社から店長、現場スタッフへと、手作業や動作が生じる業務を詳細に指導することが難しかった。たとえ紙でマニュアルを用意しても、誰もがそのとおりに作業を行えないわけだ。

だが現場では対面で作業を指導してスタッフを育成しなければならず、一方では店長や経験豊富なスタッフが若手スタッフの育成にかけられる時間も限られている。そうなると、「仕事を教えてもらえない」となって早期にスタッフが辞めてしまい、また新しいスタッフを探す必要が出てきてしまう(高橋氏いわく、スタッフが早期退職する大きな理由は「仕事を教えてもらえない」「既存環境に入れない」の2点だそうだ)。ClipLineでは、こういった人依存になりがちなスタッフ育成を動画やアプリ上でのコミュニケーションで解決するサービスだ。概要についてはこちらの動画も参照頂きたい。

ClipLineではまず、作業のノウハウを30秒から1分程度の動画にして撮影。こちらはジェネックスソリューションズが対応する。2日で150カット程度を撮影するそうだ。

スタッフ向けのアプリでは、常時その動画を視聴可能。さらに動画を見たあとにスマートフォン・タブレットのカメラを使って自分を撮影し、動画と自分の作業を比較するといったことができる。

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同時に店長向けの管理アプリも用意しており、スタッフの学習進捗を確認したり、アップロードした動画へのコメントをしたり「いいね!」をしたりできる。日々変化するオペレーションに対応すべく、動画のアップデートも可能。本社向けにレポートを確認できるウェブの管理画面も用意している。価格はは条件にもよるが、撮影などを含めた初期費用が100万円程度、月額費用は店舗あたり数千円から1万円程度になるという。

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サービスは現在、ダイヤモンドダイニングをはじめとして10社300店舗に導入されている。現在は飲食店を中心にしているが、今後は美容やアパレル、アミューズメントなど、各種業界への導入も積極的に進めるとしている。

投稿者:

TechCrunch Japan

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