「当面はCtrl+Zしか使わないので、他のキーなど必要ない」と思うことがある(あるんじゃないかと思う)。そんなときの対処法は、もちろんある。その名もTrickeyという小さなハードウェアで、グラフィック用途やゲーム用途などで、必要となるキーだけを慣れべて利用するものだ。フルサイズのキーボードを外してこちらを使うことで、机のスペースは広くなるし、手を動かす範囲も小さくすることができる。
Trickeyのキーボードは取り外して他のキーと交換できるようになっていて、さらにどのキーにどんな機能をもたせるのかは付属のソフトウェアで定義することができる。カーソルキーだけのキーボードを作ることもできるし、ゲームなど利用するソフトウェアでの必要性に応じた特定の数字キーや数種類の文字キーからなるキーボードを用意することもできるわけだ。また、ひとつのキーに、特定のキーコンビネーションを割り当てることもできる。すなわちCtrl Zの動作をするキーを作ることもできる。
ひとつのユニットに取り付けられるキーは6個となっているが、Trickeyボードをつないでより多くのキーを使うこともできるようになっている(開発チーム曰く、20個のキーを繋いでみても問題なく動作したとのことだ)。キーは透明なパーツでできているので、キートップを自在にデザインすることができるのも魅力だ。
現在存在するのはプロトタイプではあるが、たとえば外観はこんな感じになる。なかなか面白いデザインだ。
製作チームは、このプロトタイプを商品化するためにKickstarterにてクラウドファンディングキャンペーンを展開中だ。ゴールは3万ドルで、1ヶ月以上の残り期間で半分以上の額を集めている。
製作者のひとりである城啓介(Keisuke Shiro)氏(東京大学で工学を学んでいる)によると、このプロジェクトは東大内で行われたコンテストにて生まれたものなのだそうだ。そのコンテストからの支援もあって現在のプロトタイプの形がまとまったのだそうだ。城氏はロボティクスおよびエンジニアリングを手がけるキビテク(QibiTech)にもパートタイムで参加していて、同社の協力により商品化に乗り出しているようだ。
「大好きなゲームをしているときにひらめいたのです。そのゲームはいろいろと複雑なキー割り当てのあるものでした。割り当てを覚えるのが面倒だと感じるうち、キーボードをカスタマイズしてしまおうと考えたのです」と城氏は言っている。
「Trickeyは普通のHID USBキーボードですので、いろいろな機械に繋いで使うことができます。キーの割り当てを定義するプログラムはウィンドウズ版およびMac版の双方を用意するつもりです。現在のところ、Windows版が動作しています」。
Trickeyの開発は昨年の12月に開始された。キャンペーンを成功裏に終えた場合、9月頃にプロダクトの出荷を行いたい考えだ。早期割引への申し込みは予定数に達しているので、価格は139ドルからとなっている。この値段で、1つのベースユニットに6つのキー、そして失くしてしまった場合を考慮してひとつの予備キーを入手することができる。
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(翻訳:Maeda, H)