日本で困ったニュースが生まれた。Googleが同社のGoogle Mapsサービスから、今訴訟案件となっている、顧客からのレビューを、削除するよう命令されたのだ。
今日(米国時間4/10)千葉地裁は合衆国のインターネット企業に、この国の某医院に対する二つの匿名レビューの削除を強制する仮差止命令を発行した。それらは同診療所におけるネガティブな顧客体験を記しているが、どちらのレビューも、Mapsサービス内のユーザ生成コンテンツに対してGoogleが課しているポリシーに違反していない。
本日の決定は医院からの名誉毀損訴訟に基づくもので、訴状には匿名のレビュワー(複数)を診療して、彼らの主張を否定している医師からの、宣誓供述書も含まれている。
裁判所はGoogleに、コンテンツを日本だけでなく全世界的に取り去るよう、命じている。
Googleは本誌TechCrunchに提供した声明で、“対応を検討している”と言っている。その中には命令に対する控訴も含まれるのだろう。
“弊社はビジネスのオーナーがレビューに応答できるためのツールを提供しており、また弊社のポリシーに違反するポストは取り下げているが、オンラインのレビューは人びとがビジネスに関する直接のフィードバックを掲出したり読んだりするための重要なツールであると信じている”、と同社は書いている。
公開されているコンテンツの削除は、つねに問題になる。とくに、その背後にあるプロセスがほとんど公式の否定だけという場合は、その否定がまた問題になる。救命や治療を職務とする医療専門家に関するフィードバックがWebから安易に消し去られるなら、本当に悪いことをしたビジネスや個人に対する正当なネガティブレビューも、Webから消し去られてしまう懸念が、当然ながら生ずる。
最近Googleは日本で、プライバシーや言論をめぐる失態をいくつか犯している。昨年は日本の裁判所が、ある人を犯罪に結びつけている検索結果を削除するよう、Googleに命じた。2012年に同社は、その自動補完機能が日本のプライバシー関連法に抵触すると判決され、修正を命じられた。
以下は裁判所の仮処分決定書だ(日本語である):