日本のコングロマリット企業である楽天が次に買収を狙っているのは、オンラインコンテンツ企業のPopSugarであると聞いた。この手の話は途中で頓挫することもあるが、もし順調に行けば、数週間以内に楽天はPopSugarを5億8000万ドルで買収することになるだろう。
同様の買収案件を見てみると、AOLは月に1億1700万ユニークビジター数を集めたHuffington Postを2011年に3億ドルで買収した。PopSugarには月に4100万ユニークビジター数があると同社のサイトに記されている。
セレブのオンラインニュースサイトとしては、高額な買収のように思えるが、楽天は近年、コンテンツ関連のサービスを高値で買収してきた。今回もその流れを汲んでいるのだろう。楽天は先月、デジタルコンテンツの配信サービスOverDriveを4億1000万ドルで買収したばかりだ。楽天にはインバウンドの買収の案件が集まってきていて、彼らも特にデジタルコンテンツ企業に多額の資金を持って買収することを厭わないとのことだ。
この件について詳しい情報筋によると、PopSugarはここ数ヶ月の間に売却先を検討していて、160億ドルをキャッシュで持つ楽天が彼らにとって最も有益な選択肢になり得るということだ。
楽天の名はアメリカではあまり知られてはいないが、日本では、クレジットカード、銀行、Eコマース、スマートフォン、 Viki という名のHuluに似たテレビ番組の放映、そして日本のプロ野球チームまで、様々な分野に手を広げている大企業である。
この企業はアメリカ市場に自社のプロダクトを広めるため、積極的にコンテンツ企業の買収やアメリカのスタートアップに投資を行っているといった話を良く聞く。 最近では、 3億ドルと引き換えにタクシーの配車のスタートアップLyftの株式11.9%分を手に入れた。
PopSugarの広告部門によると、サイトのユーザーの大半は裕福な女性で、購買意欲が高いそうだ。彼らのファッションブランドサイトのShopStyleは、2014年には小売りの販売で12億ドルの売上を記録したとWomen’s Wear Dailyは報じている。これは、アメリカ市場への進出を狙うコングロマリット企業にとって、高額でセレブに焦点を当てたオンラインメディアサイトを買収する材料となるだろう。
PopSugarにも楽天にも、この買収の件について問い合わせているが、まだ連絡は取れていない。彼らから連絡があり次第、続報を伝えたい。
[原文へ]