音楽ストリーミングサービス Apple Musicのスタートからひと月もたたない中、AppleのCEO Tim Cookは、「すでに何百万人ものユーザーがApple Musicを体験し、その数は日々大きく伸びている」と、不評だった今日のQ3決算報告で語った。問題は、無料トライアルが終り、自動的に月額10ドルを請求されるようになってから、果たして何人が使い続けるかだ。
Cookは今日の収支会見で、1万5000人のアーティストがApple Musicのコネクト機能で近況を共有し、未公開の歌やビデオもあると語った。例えば、ラッパーのドレークは、最新ミュージックビデオを同サービスで初公開した。Cookは、何百万人もの人たちがBeats 1ラジオステーションを聴いていることも話した。
曖昧ではあったが、示された数字を見る限りAppleのiTunesダウンロードストア後継は進歩を見せているようだ。Apple Musicが3ヵ月の無料トライアル期間を設けていることは重要なポイントだ。もちろんApple Musicアプリも7月1日のソフトウェアアップデートと共に何億台ものiPhoneに届けられている。このプレインストールベースがあれば、Appleがそのストリーミングサービスを、少なくとも数百万人に使ってもらうことに苦労はなかっただろう。
AppleはBeat Musicの買収を機にストリーミングサービスの開発に力を入れはじめた。Beat MusicはBeats Electronicsのヘッドホンと共通ブランドのストリーミングサービスだった。買収後にサービスは閉鎖され、ユーザーはApple Musicに移行したが、これも購読者ベースに貢献したかもしれない。
Apple Musicは、既に定評のあるSpotifyやGoogle Music等のサービスと競合する。ちなみに最大のライバルであるSpotifyの総リスナー数は7500万人で、内訳はスポンサー付の無料会員が5500万人、有料購読者が2000万人だ。
しかしApple Musicにとって本当のチャンスは、これまでにストリーミング音楽を真剣に聞いたことのない圧倒的多数の中から、月額10ドルの定期利用者を獲得することにある。何億人もの人々がiTunesを使っていることを考えれば、今日の報告はAppleがダウンロード販売からストリーミング購読の会社へと移行する長旅の、小さな一歩にすぎない。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)