1年足らず前にIntelに買収されたパスワード管理サービスのPasswordBoxは、このほどそのサービスを閉鎖して、ユーザを、そう、ご想像どおり、Intelが今年ローンチしたサービスTrue Keyへ移行させる。
このことを確認するブログ記事でPassword Boxは、今後はIntelと共同開発したTrue Keyに全力を傾注する、と言っている。現行サービスが存続するのは、“2016年の秋まで”だそうだ。
True Keyはフリーミアムだが、無料バージョンではパスワードを15しか保存できない。‘無制限’(実際には2000まで)に保存するには、年額20ドルを払う。
PasswordBoxもフリーミアムで、パスワード25まで無料、そして友だちを勧誘したら無制限が無料、そうでなければ月額1ドルだった。True Keyの方が、ちょっと高い。
現在のPassword BoxのユーザがTrue Keyに移行すると、次のような“特別アカウント”を提供される:
PasswordBoxのユーザにはTrue Keyのアカウントが予約されています。そのアカウントをお使いになる方は、プロフィールを作り、今のPasswordBoxのパスワードとともにメールで送ってくださると、あなたの情報がそちらへ移行します。ただしTrue Keyのアカウントの内容条件はPasswordBoxのそれとは異なります。移行を決められたPasswordBoxのユーザにはTrue Keyの特別アカウントが提供されますが、アカウントの内容は新しくなります。
Password Boxユーザの中には、Twitterで、閉鎖に対する不満を述べている人たちもいる:
[500もあるパスワードをエクスポートするなんて、ぞっとしないね。]
[True Keyの年額19ドル99セントは馬鹿げている。オープンソースのツールに移行したいよ。]
[True Keyに移行するメリットって何なの? 料金が上がるだけ?]
Intelに買収されたとき、Password Boxのダウンロード数は1400万に達していた。そしてカナダのOmers VenturesやFacebookのLee Lindenなどから、600万ドルを調達していた。
でもこれは、スタートアップがたどる道の、教科書的な例だ。フリーミアムでユーザ数を稼ぎ、資金を調達し、さらにユーザを増やし、買収され、元のサービスを閉鎖し、もっと高価なサービスに移行して利益を上げる…。