AWSがゲーム開発者向けサービス「Lumberyard」と「GameLift」をローンチ

shutterstock_315101564

AWSはゲーム開発者コミュニティーを自社のクラウドプラットフォームに招くための施策をいくつか発表した。

1つは、Amazon Lumberyardだ。これはAWSが登録料、サブスクリプション料金、レベニューシェアなしで提供する3Dゲーム用の開発エンジンだ。現在はコンソールとPCゲーム向けだが、近いうちに仮想現実(VR)とモバイルゲーム開発にも対応する計画だ。多くのゲーム開発者はそれを望んでいるだろう。

今のところ、Amazonはこのサービスをベータ版で提供している。ゲーム開発者にAWSがこの市場の一部を真剣に取りに行くというところを示している。そうしない理由がないだろう?ゲームはリソースを集中的に使うものだし、Amazonは開発者にバックエンドで必要なサービスインフラを販売するために無料の開発エンジンを吊り下げて誘いこもうとしているのだ。

さらに魅力的にするため、AmazonはAmazon GameLiftを発表した。これは、マルチプレイヤーゲーム向けの運用とスケールをセッションベースで変更できる開発エンジンだとAmazonは説明する。これが便利なのは、ゲームに人が入ってきたり、オフラインになったりする状況に応じて、必要なだけサーバーを追加したり、削減したりできることだ。

Amazon GameLiftの利用は無料ではなく、1000デイリー・アクティブ・ユーザーごとに1.50ドルかかる。あとはAWSサービスで使用するサーバーやデータベースアクセスなどの利用料がかかる。ゲーム開発者は使った分の費用だけを支払えば良い。ゲームがヒットすればAWSは大金を得ることができる。そうでなければ、開発者は使っていないリソースのためにコストをかけなくてすむ。

でもまだ続きがある。AmazonはTwitchとの機能連携も提供する。TwitchはAmazonが10億ドル近い価格で昨年買収したゲームストリーミングサービスだ。全てのサービスがAmazonの戦略にあてはまる。

「Amazon LumberyardはTwitchと連携しているため、開発者はTwitchにいる月間ゲーム配信ユーザー170万人と月間視聴者1億人以上に向けたゲームプレー機能を構築することができます」とAmazonは声明で伝えている。

Amazonは、人々(今回はゲーム開発者)が欲しがっているものを提供するとしている。現在、他にもゲーム開発エンジンはあるが、AWSはプラットフォームとしての機能を提供し、スケール可能で、各機能が連携しているこのワンストップサービスでゲーム開発者を惹き付けたい考えだ。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

Featured Image: Rawpixel.com/Shutterstock

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。