ビジネス用マッチングアプリ「yenta」がローンチ2ヶ月弱で5万マッチ達成、拡大フェーズへ

yenta

アトラエが手掛けるビジネスパーソン向けの完全審査制マッチングアプリ「yenta」がローンチから2ヶ月弱でマッチング数5万を突破したと公表した。yentaの成長と今後の施策についてアトラエの取締役を務める岡利幸氏に話を聞いた。

「yenta」は、人工知能が相性の良いビジネスパーソンを毎日10名紹介するアプリだ。昼の12時にFacebookの投稿やつながりを鑑みたビジネスパーソンが紹介され、会いたいと思ったら右に、そうでなければ左にスワイプして振り分けていく。夜の8時になるとまとめてマッチング結果が届き、マッチングが成立した相手とメッセージをやりとりすることができる。

「yenta」は1月末に正式ローンチし、先週金曜日には早くもユーザー同士のマッチング数が5万を突破したと岡氏は言う。現在の登録ユーザー数はおよそ3200名で、平均すると1人のユーザーにつき毎日マッチングが1、2件ある計算だ。また、エンゲージメントについても1週間に1度でもスワイプしている週間アクティブユーザーは80%と高い水準と岡氏は言う。

マッチング数だけでなく、マッチング成立後に実際にユーザー同士が会って、ビジネス上のつながりが生まれた実例も増えてきていると岡氏は言う。例えば、yentaで知り合ったのをきっかけに仕事の受注につながったケースやスタートアップにインターンとして入社し、採用に至ったケースといったフィードバックがあったそうだ。

営業や採用といった目的以外にもyentaは異業種の人と出会うハードルを低くするのに役立てられていると岡氏は言う。例えばエンジニアであれば、勉強会などに参加することで同業の人に出会うことができるが、同じ業界にいても職種が異なるデザイナーの人と会ってじっくり話す機会はあまりない。かといってデザイナー向けの勉強会に参加するのにはハードルが高く、出会う方法も紹介などに限られてしまう。yentaでは互いに関心のあるユーザー同士が1対1で会うことができるため、異業種の人とも接点が作りやすいと岡氏は言う。異業種の人と話すことから学びが得られたというフィードバックも多いという。特にスタートアップの経営陣はエンジニア、デザイナー、営業と様々な役割の人を率いる立場にあるが、社内の人では相談しづらいこともある。yentaで社外の異なる職種の人と話し、それぞれの考え方に触れることで異なる立場に対する理解が深まったというポジティブなフィードバックがあったと岡氏は話す。

これからのyentaの展開について岡氏は「今あるユーザーの高い密度を落とさず、ユーザー数を増やす拡大フェーズに移る段階に来ている」と言う。そのために、最適な機能開発とユーザー数の拡大を行っていくとした。まず直近ではローンチ後に追加した「あしたランチ」機能を改良する予定だそうだ。「あしたランチ」機能はユーザーが翌日ランチできる場所を選択し、公開設定にするとマッチングしたユーザーにその情報が表示される機能だ。今は翌日のランチのみを登録可能だが、数日先のランチの予定も登録できるようにする予定だという。この機能で空いている時間と場所を設定することで、マッチング成立後にユーザー同士が会う約束をするきっかけにしてほしい考えだ。

ユーザー数の拡大に関しては、既存のユーザーベースとの相性を見ながら、新規のユーザーも増やしていくという。今はスタートアップ業界のユーザーが多いが、今後は大手企業の新規事業部門や研究開発など現在のユーザーベースとの関連性が高いビジネスパーソンを少しづつ獲得していきたいと岡氏は言う。もちろんマッチングの精度を落とさないことも重要視していて、ユーザー数が増えても、エンゲージメントを維持できるよう、全体のバランスとビジネスパーソンを紹介するアルゴリズムを随時調整していくと話す。次のマイルストーンはユーザー数10万人を獲得することという。yentaのコンセプトは「ビジネスを加速させること」であり、マッチングしたら終わりでなく、その後にきちんとビジネスとつながるサービスとなるよう注力していきたいと岡氏は話す。

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TechCrunch Japan

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