KAMARQ HOLDINGSは環境エネルギー投資、クレディセゾンのコーポレートベンチャーキャピタル、iSGSインベストメントワークス、個人投資家などから総額約3.5億円を調達したことを本日発表した。IoT家具を制作するKAMARQはプロダクト第一弾として、スピーカーを内蔵したテーブル「SOUND TABLE」を手掛ける。今日から、クラウドファンディングサイトMakuakeでキャンペーンを開始し、「SOUND TABLE」の先行予約が可能だ。「SOUND TABLE」のコンセプト、そしてKAMARQのロードマップについて代表を務める町野健氏に話を聞いた。
KAMARQの最初のプロダクト「SOUND TABLE」は、テーブルとスピーカーを掛けあわせたIoT家電だ。Bluetoothでスマホに連携し、「SOUND TABLE」の専用アプリから、音楽を選んで再生することが可能だ。アプリではタイマーのように、好きな時間に好きな音楽を流すことができる。目覚ましの代わりに爽やかな音楽を流したり、友人が集まれば盛り上がる曲をかけたりできる。また、住所を登録しておくことで、天気が変わった時に雨音を再生する機能もある。
「SOUND TABLE」のダイニングテーブルのデザインは、シンプルなものとモダンなものの2種類ある。「渋谷ヒカリエ」や家電ブランド「amadana(アマダナ)」のデザインを手がけた鄭秀和氏がプロデュースしている。スピーカーを使うにはテーブルを電源に供給する必要があるが、デザインの邪魔にならないよう、テーブルの脚の部分に電源部があり、使っていない時はスライド式のカバーで電源部を隠せるようになっている。また、天板の側面には電源とUSBポートも付いているので、スマホの充電などが可能だ。
「SOUND TABLE」はダイニングテーブル、ローテーブル、ベッドサイドテーブルの形を3つ用意していて、色も3色から選べる。ダイニングテーブルに関しては、自宅用でもオフィス用でも適したサイズが選べるよう3サイズある。Makuakeのキャンペーンは本日開始で、購入者には7月頃から順次発送する予定だ。一般販売も7月に開始するという。
デザインが良く品質の高いものをお手頃な価格で提供したいと町野氏は話す。価格帯の低い家具ブランドも増えたが、多くの人はデザインや品質については妥協しているように思うと町野氏は言う。KAMARQは家具のOEM製造を手がけてきたインドネシアの家具工場と提携しているため、品質が良いものをお手頃な価格で届けることができると話す。例えば、「SOUND TABLE」のMサイズダイニングテーブルの小売販売価格は7万9800円の予定だが、この品質のものを購入するなら通常その倍以上の値段が一般的と言う。また工場と直接提携していることで、クライアントのニーズを汲み取ってプロダクト開発に素早く反映させることができると話す。
KAMARQのブランドコンセプトは「あなたの世界を広くする」ことと町野氏は言う。日本の住居は狭く、たくさんの単機能な家具や家電がある。大きな家具に別の機能を付け加えることで、その分部屋の空間を広く使うことができるようになると町野氏は説明する。そのコンセプトに基づき、「SOUND TABLE」に続く第2弾のプロダクトとして「スマートドア」の制作を計画しているという。これはドアごとスマート化し、そこに温度計、湿度計、開閉の検知機能などを搭載するという。このスマートドアは、離れている家族の見守りなどに使うことを想定しているそうだ。KAMARQの第3弾のプロダクトは、1センチ単位でオーダーメイド家具が購入できるECサイトを計画しているという。第1弾と2弾で提供するIoT家具とは少し趣が違うが、空間の有効活用というコンセプトは一緒だと町野氏は説明する。例えば、壁面にぴったりと収まるテレビボードやキャビネットであればデッドスペースがなくなり、空間が広く使えるようになると町野氏は言う。また、災害時には家具の転倒が心配だが、このオーダーメイド家具は背が腰より低く転倒しずらいデザインを採用し、災害対策にも役立てられるようにしたいと考えているという。
今回の資金調達ではプロダクトやシステム開発、そして人材強化に充てる予定だと町野氏は話す。また海外展開も視野に入れているという。先日KAMARQは、「Softbank Innovation Program」に採択されてもいる。これはSoftbankがスタートアップや企業にリソースを提供し、テストマーケティングなどを通して事業を応援するプログラムだ。まだ本格的にプログラムは開始していないが、Softbankのマーケティングや開発援助、そして同プログラムに採択されている海外企業と連携できることに期待しているという。だが、まずはMakuakeのキャンペーンとその後の一般販売で国内市場にリーチし、カスタマーのフィードバックを受けてプロダクトの改善に注力していきたいと話す。