VR制作ソフト「SYMMETRY」開発のディヴァース、103.9万ドルの資金調達を実施

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VR制作ソフトウェアを開発するDVERSE(ディヴァース)は6月2日、500 Starups Japan、Colopl VR Fund、KLab Venture Partners、アドウェイズ、ウィルグループ(傘下のウィルグループインキュベートファンド)、スローガン、エンジェル投資家の川田尚吾氏ほかからConvertible Noteにて103万9000ドル(約1億1000万円)の資金調達を実施したことを明らかにした。

DVERSE(ディヴァース)は2014年10月の設立。海外展開を想定して米国デラウェア州に登記している。CEOの沼倉正吾氏はCAD/CAMシステムなどを開発するゼネテックの出身で、Oculus Riftに出会い、VR領域での起業を決めた。2015年7月には、韓国のBonAngels Venture Partnersおよび日本のViling Venture Partnersからも資金調達を実施している。

同社が開発するのは、VR制作ソフトウェア「SYMMETRY(シンメトリー)」だ。簡単、リアルタイム、高品質を特徴に掲げる制作ソフトで、3DCADデータや3Dモデルファイルを入力し、直感的な操作で編集、出力までが可能だという。

「VRのUI/UXは、広さの制限がある従来の2Dモニタと違って、非常に広大な空間が使用できる。そのため、ピクトグラム的なアイコンのみのメニューでを用意して、それぞれのアイコンの機能については、3Dのアニメーションでチュートリアル的に表示することもできる。DVERSEでは、このような形で『非言語UI』を用いて、グローバル展開可能なソフトウェアの開発を進めている。SNSでもゲームでも、デファクトになるプロダクトやサービスは言語圏ごとに分かれていたが、VRではPCでもスマホでもできなかったグローバルでデファクトなプロダクト・サービスが可能になる。その第1弾がSYMMETRYだ」(沼倉氏)

VRコンテンツの制作ニーズが大きいのは現在北米やヨーロッパが中心だという。沼倉氏によると、VRコンテンツの制作にも使われる3DCADソフトの「SketchUp」は日本のユーザー数が1万人なのに対して、グローバルだと3000万人と、規模に大きな差がある状況だ。ただし、日本では国交省が発表した「i Construction」で2020年までに全ての設計図やデータを3D化するとしている。そのためSYMMETRYは、この対応に追われる施工業者から大きな反響とフィードバックを得ているという。

そういった状況から、当初は「設計、デザイナー」「マンション/戸建てを販売するデベロッパー」「実際に工事を行う施工業者」など建築・土木分野をターゲットにしていく。将来的には「インダストリアルデザインやエンタメにも進みたい」(沼倉氏)という。

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TechCrunch Japan

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