マイクロソフト、リサーチの補助ツールやプレゼンをダイナミックにする新機能をOfficeプロダクトに追加

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Microsoft は、本日(米国時間7月26日)、主要なOfficeプロダクトであるWord、PowerPoint、Outlookに機械学習スマート機能の導入を始め、いくつかのアップデートを発表した。

Wordには、ユーザーがより上手い文章を自信を持って書くことに焦点を当てたアップデートを行った。Microsoftのチームは「Researcher for Word」をWordに組み込み、これを用いることでユーザーは自分が書いているトピックに関する情報を探すことができるようになる。それらの情報源はオンラインジャーナルや百科事典、歴史のデータベース、国立科学センターや保健センター、およびその他の信頼できるサイトであり、ユーザーはフォーマット化された参考文献をWordに直接インポートすることができる。

このツールの目的は言うまでもなく、ユーザーがコンテンツを切り替えることなくリサーチできるようにすることである。このツールはおそらく高校生、もしかしたら大学生にとっても素晴らしいツールではあるが、地元の大学の図書館がアクセスを持っているようなサブスクリプションベースのリサーチデータベースに取って代わることはできないだろう。だが、Microsoftは特段、この機能をそういったものの代わりとして販売しようとはしていない。ユーザーがリサーチを始めるのを助ける機能として考えているのだ。

この機能はBing Knowledge Graphを活用しているとMicrosoftは言う。

Office 365 Insidersの登録者は、今月からこのアップデートを利用でき、他の利用者はその後にアクセスできるようになる。

また、Wordには新機能「Editor for Word」が追加された。EditorはMicrosoftの機械学習の専門技術を用いて、現在ある大抵のワードプロセッサで利用可能な基本的なツールよりも、優れたスペルや文法のチェックを提供する。「間違いをただハイライトするかわりに、Editorがどんなレベルのユーザーにも簡潔な表現や単語の選択などを説明しながら、ライティングをより良くする方法を提示する」とMicrosoftは述べている。つまり、今後「影響(affect)」の代わりに「効果(effect)」を使った時には、Wordは間違いを伝えるだけでなく、なぜ間違っているかの説明をしてくれる(英語の初級クラスを教えてくれた、保険にも入っていない貧しい非常勤講師がおそらくこれまでに100万回もやってきたような内容だ)。

スペリングに問題がある箇所には赤色の波線が、文法に問題がある箇所には青色の二重下線で示される。Wordがライティングに表現方法のミスを見つけたときには、金色の破線でハイライトされる。

他の何百万人と同じように、デスクトップでOutlookを使用しているのなら、モバイル版Outlookでおそらく最も便利な機能にアクセスできるようになる。Focused Inboxのことだ。GmailのPriority Inboxのように、Focus Inboxは最も重要そうなメールをハイライトをする。使ってみたところ、時々Priority Inboxとモバイル版Focused Inboxでハイライトされるメールは違ったが、これらのツールなくして受信ボックスを読み進めるなんて私には想像しがたいことだ。これらのツールがデスクトップでも同様に利用できるのは良いことだ。

また、Outlookの新機能は「@メンション」に対応したことだ(そう、 Twitterのように)。メール上で誰かを「@メンション」すると、その人は自動的にTO: (宛先)に追加され、受信者は別途通知を受けとり、それが非常に重要(おそらく)なメールであることが分かる。この機能は現在、WindowsとMacでOutlook 2016をOffice Insidersとして利用しているユーザーは利用可能だ。

最後の新機能はPowerPointのZoomである。これはPreziのような他のプレゼンテーションツールからヒントを得たもので、スライドからスライドへ移動する基本スタイルを超え、プレゼンテーションをもっとダイナミックにしたり、オーディエンスが居眠りしそうな時には、プレゼンテーションをその場で整理し直すことを可能にする狙いがある。実際にどのようなものかは下記の動画をチェックしてほしい。

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TechCrunch Japan

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