労務管理クラウド「SmartHR」に小規模企業向け0円プランが登場—大企業向け機能の強化で収益化図る

SmartHR

KUFU(クフ)は9月12日、労務管理クラウド「SmartHR」に従業員5名以下の小規模企業を対象とした「¥0プラン」の提供を開始した。

SmartHRは労務関連の書類自動作成、オンラインでの役所への申請、人事情報、マイナンバーの収集・管理やWeb給与明細などの機能を備えたクラウド型の労務管理ソフトウェア。TechCrunch Japanが開催するイベント「TechCrunch Tokyo 2015」のスタートアップバトルで優勝を果たしたことでも話題になったこのサービスは、2015年11月のリリースから9カ月の2016年9月現在、1800社を超える企業が登録している。

その登録企業のうち、一定数を従業員が5名以下の小規模企業が占めるという。こうした企業では、労務管理や手続きを経営者が行うケースが多く、労務に関する書類作成の時間コストや、手続きに必要な情報を調べたり教わったりするコストが負担になりやすい。一方で従業員数が少ないうちは労務手続きが頻発するわけではないため、月額制のサービスを利用すると割高になる恐れがある。

「¥0プラン」はこうした小規模企業が、SmartHRの主要機能を無料で利用できるプランとなっている。無制限でサービスが利用できる15日間のトライアル期間終了後に制限される機能は、「メール&チャットサポート」、「書類の印刷代行機能」、「役所への電子申請機能」の3つで、役所への電子申請機能については将来的には解放を検討しているそうだ。

また従業員数1000名を超えるエンタープライズ企業の引き合いも増加する中、KUFUでは「権限管理のカスタマイズ」や「従業員データベース機能の強化」、「外国人雇用に必要な書類への対応」など、SmartHRの大企業向け機能の強化も進めることで、¥0プランのリリースとバランスを取り、収益化を図っていくという。

2016年9月12日現在の従業員数別プラン体系と料金(年間一括払い時の月額換算、税抜)は以下のとおり。

  • ¥0プラン(〜5名) 0円(一部機能制限あり)
  • MICROプラン(〜5名) 980円
  • SMALLプラン(〜15名) 3,980円
  • MIDIUMプラン(〜30名) 9,800円
  • LARGEプラン(〜50名) 19,800円
  • ENTERPRISEプラン(51名以上) 別途見積り

KUFUでは¥0プランの提供により「社会保険・雇用保険の手続きを後回しにせざるを得なかった小規模企業でも、本来行われるべき手続きが進むことを期待する。経営者は本業に、人事担当者は採用や制度づくりに集中でき、そこで働く従業員はよりよい環境で安心して働くことができる、という社会を実現していきたい」としている。

投稿者:

TechCrunch Japan

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