VRを利用することで、企業は資金を投じて実際の店舗を建設する前に、デジタルな環境で消費者行動をモニタリングすることができる。
InContext Solutionsは、小売企業を主要なターゲットとし、新しい店舗のコンセプトをVR上でテストできるようなサービスを提供している。
そして同社は本日、Intel CapitalとBeringeaがリードインベスターとなったラウンドで、1520万ドルを調達したと発表した。今回のラウンドを含め、InContext Solutionsは今日までに4000万ドルを調達しており、Plymouth Venture PartnersやHyde Park Venture Partnersなどが投資家として名を連ねている。
これまで同社は、WebVRのソリューションを利用してVRサービスを提供してきたが、今回の調達資金を使って、今後はもっとVRヘッドセットの機能を活用した本格的なサービスの開発に注力していく予定だ。
「今回のラウンドでは、小売企業に対しこれまでにも増して強力で、ユーザーが夢中になれるようなVRソリューションを提供するという、私たちのビジョンをサポートしてくれる戦略的投資家から資金を調達することができました」とInContext Solution CEOのMark Hardyは声明の中で語った。「私たちはこれまで長い間、ウェブベースのVRサービスプロバイダーの先駆けとしてビジネスを展開してきました。今後は今回の調達資金を利用して、もっと積極的に自社VRプラットフォームの開発に注力することで、コストを下げつつも顧客のビジネスの高速化や売上拡大を支えていきたいと考えています」
InContext SolutionsのShopperMXプラットフォームでは、バーチャル空間で陳列棚を簡単に再現することができるほか、あるコンセプトのどこにユーザーが目を向けているかというのが分かるようになっている。さらに同社は、まだアイディア段階にあるものや既に作業中のものを含め、新しい陳列案にユーザーがどのように反応しているかというのを可視化するため、ヒートマップを含めた分析機能を開発中だ。
InContext Solutionsは、消費者向けのVRサービスが大衆に利用されはじめるずっと前の2009年に設立された。今後VRヘッドセットを利用したサービスを提供することで、同社が消費者行動に関してさらに意味のあるデータを集められるようになるのは確実だ。
Intel Capitalからの投資は、InContext SolutionsとIntel間で結ばれた、VRソリューションを共同で開発するためのパートナーシップがきっかけとなった。IntelはこれまでにもオールインワンのVRヘッドセットProject Alloyを含む、同社のRealSenseプラットフォームに関連した数々のVRイニシアティブを発表している。
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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)