SNS連動型フォトプリントサービスを手がけるSnSnapがニューホライズンキャピタルに株式譲渡

snsnap

SNSフォトプリントサービス「#SnSnap」を手がけるSnSnapは本日、ニューホライズンキャピタルへ株式譲渡を実施したことを発表した。譲渡金額は非公開。

「#SnSnap」は、主にイベント会場などでプロモーションに活用できるフォトプリントサービスだ。イベント来場者は指定のハッシュタグを付けて写真をSNSに投稿すると、イベント会場ににある専用プリンターからその写真をオリジナルデザインのカードやスティッカーとしてプリントアウトすることができる。

2015年7月にサービスをローンチして以降、350件以上の導入実績があるという。年に数回リピートで利用するクライアントもいるとSnSnapの共同創業者代表取締役、西垣雄太氏は話す。「その場の会場だけでなくオンラインでも拡散できるコンテンツであり、どれくらい拡散できたかが可視化したデータまで揃うワンストップサービスであることが評価されています」と西垣氏は説明する。

SnSnapは2015年5月に創業し、わずか1年半ほどでエグジットを達成した(設立当初の会社名はドーグスで2016年1月に社名をSnSnapに変更している)。大手IT企業が事業強化のため、親和性の高いスタートアップを買収するというのは良く聞く話だが、今回の場合SnSnapはPEファンドに株式譲渡を実施している。

ニューホラインズキャピタルを株式譲渡先に選んだことについて西垣氏は「広告代理店やゲーム会社とも話をしていたのですが、事業会社の色をつけずにのびのびとSnSnapを成長させたいと考えていました。条件面で納得できたのがニューホライズンキャピタルでした」と説明する。

ニューホラインズキャピタルには資金面に加え、事業開拓と営業支援にも期待しているという。SnSnapはこれまで自社でクライアントの開拓を行ってきたが、ベンチャーだと政府や地方自治体などにはリーチしにくい。ニューホラインズキャピタルのネットワークを活かして、インバウンド旅行客に向けたPRや2020年を見据えた観光PRなども進めていきたいと西垣氏は話す。

今後は新規事業と広告サービスにも力を入れていくと西垣氏は話す。SnSnapは2016年10月、店舗やイベント会場に設置した機械で来場者がオリジナルデザインの写真や動画が撮影できる「#MirrorSnap(ミラースナップ)」を新たにローンチしている。来場者はメールアドレスや電話番号の登録かLINEの友達追加で撮影データを受信できる仕組みだ。店舗やブランド側にとっては、プッシュ通知などで来場者にイベント情報などを配信することができるようになる。

SnSnapは広告サービス「#REALAD(リアラド)」も10月にローンチした。これまでリアルの場でプロモーションを実施しても、継続的に来場者に向けたプロモーションを行うことは難しかった。「#REALAD」では、ブランド側がSnSnapで指定したハッシュダグを利用したユーザーに対し、リターゲティング広告の配信を可能にする。今後SNSの投稿の言語解析でブランドイメージの解析といったマーケティングに特化した事業も進めたい考えだ。

「リアルの場にしかない熱量、そしてデジタルにしかないマーケティング力の両方を活かしたサービスを展開していきます」と西垣氏は話す。それぞれのサービスを軌道に乗せ、SnSnapの成長を後押しするためにもまずは開発と営業人員の強化を図る予定という。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。