今朝(米国時間3/21)、Appleは新型iPadを発表した〔日本サイト〕。実質的には2014年後半に発表されたAir 2の後継機種だが、モデル名が煩雑になるのを避けるため、単にiPadと呼ばれる。これはMacBookのネーミングが単純化された前例を思い出させる。
新iPadは9.7インチの輝度が強化されたRetinaディスプレイと能力が向上したプロセッサを備えている。独自開発のA8Xプロセッサは新モデルではさらに高速なA9に置き換えられた。
重要な点は 32GBの入門モデルの価格を下げて320ドル〔日本版は税別37,800円〕からとしたことだ。128GBモデルは459ドル〔同税別48,800円〕からとなる。このサイズではApple史上もっとも低価格のタブレットだ。
なおこの発表に先立って、先月のMWCではSamsungがTab S3を発表している。このタブレットの価格は現在600ドルで、もっと手頃な価格を期待していたユーザーを失望させている。Appleは大胆にも 9.7インチ機種の価格を半額近くに引き下げた。
Appleのフィル・シラーは新モデルについてのプレスリリースを「さらに手頃な価格に」というきわめてシンプルなタイトとしている。手頃な価格のエントリーレベルのタブレットを探していたユーザーがまさにAppleのターゲットなのだろう。
Appleはタブレット全体で長年マーケットのリーダーの地位を占めてきたが、最近このジャンルはやや冷え込んでいる。しかしAppleのトップの座は揺らがないだろう。Strategy Analyticsによれば、Appleの昨年の第4四半期の世界市場でのタブレットの出荷台数ベースのシェアは13.1%だった。
能力のアップと同時に価格を引き下げるという戦略は当然ユーザーに歓迎されるだろう。タブレット分野でのAppleの大きなリードは今後も維持されるものと思われる。
〔日本版〕Appleサイトには「注文は3月25日午前0時01分(日本時間)から。」と記載されている。Appleのプレスリリースには「翌週からAppleストア(およびその他のチャンネル)に届きはじめる」とある。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)