物流業務プラットフォーム「オープンロジ」を展開するオープンロジは7月25日、Eight Roads Ventures Japan(リード投資家)、Spiral ventures、Infinity Venture Partners、SMBCベンチャーキャピタル(いずれも既存投資家)および個人投資家から総額7億3000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。同社はこれまで累計で10億円の資金を調達している(前回のラウンド、前々回のラウンド)。なお今回の調達にともない、Eight Roads Ventures Japanの村田純一氏がオープンロジの社外取締役に就任する。
オープンロジの設立は2013年12月。2014年3月にサービスをローンチしている(2014年11月にはイベント「TechCrunch Tokyo 2014」のスタートアップバトルにも登壇した)。通常倉庫会社と契約する場合、個別見積もりをしたのちにスペース単位での価格が設定される。さらにそこから、梱包、在庫管理といった作業が必要になる。大企業ならまだしも、中小のEC事業者にはこういった一連の作業が大きな負担になっていた。オープンロジは自ら倉庫会社をネットワーク化し、独自開発のシステムで運用することで、アイテム単位の課金で安価に利用できる物流業務のアウトソーシングプラットフォームを手がけている。
これまでノンプロモーションながらユーザー数は2500アカウント以上。金額は非公開ということだが、売上は前年比730%増になっているという。当初は中小事業者をターゲットにしており、現在でもユーザーの8割は月間出荷件数数百件程度だが、その一方では1万件以上の月間出荷件数を誇るユーザーもいるという。すでに47都道府県からの利用に加えて、海外事業者の利用実績もあるという。
今後は冷蔵倉庫対応や海外展開も
提携する倉庫数も十数拠点まで拡大したが、今後は国内外合わせて60拠点まで拡大する予定だという。海外展開に関しては、まず今秋にも米国オレゴン州への進出を予定。「オープンロジを使えば現地の倉庫を簡単に契約ができて支払いもワンストップ化される。Amazon.comやeBayでの越境ECを促進することができるようになる」(オープンロジ代表取締役社長の伊藤秀嗣氏)。今後は中国やアジア圏の倉庫を増やしていく予定だという。
オープンロジでは今回の資金調達により、サービスの体制基盤の強化や国内外の各種EコマースサービスとのAPI連携などを強化していく。さらに、冷蔵や定温倉庫との連携も進める。「空調管理が必要な分、保管料や配送料は常温に比べて高くなるが、それでもオープンロジを通すことでこれまで敷居が高かった倉庫の利用ハードルを下げ、中小規模の事業者のコストダウンが図れるようになる」(伊藤氏)。これに加えて、年内にはオムニチャネル向けの新規事業を展開する予定だ。