Microsoftは、第2世代HoloLens VRヘッドセットに独自のAI処理能力を搭載する準備を進めていると公表した。HoloLensの機能やサービスを強化するのが狙いだ。
HoloLensに搭載している現行のプロセッサにAIコプロセッサを加えてカスタマイズするとMicrosoftは説明する。これでクラウドに接続することなくデータ分析ができるようにする。常にオンラインである必要性が無くなるので、処理速度は上がり、可動性も向上する。
Microsoftがチップを自社で設計するのは、それがARやMRの新たな用途やサービスを切り開く唯一の方法だと考えているからだ。同社CEOであるSatya Nadellaは5月に開催されたMicrosoft Buildの講演の中で、工業分野における作業現場など、将来のAIの使用例をいくつか挙げた。それらを実現するにはカスタムAIチップがもたらす処理時間の短縮や可動性の向上が、非常に重要な要素になる。
「それ自体が知的なMR機器を開発する際には必要な考え方です。MRとAIは未来のコンピューティングの代表格であり、我々はこの先進未来分野を推し進めることを嬉しく思っています」と、Microsoftは自社チップセットの計画について語っている。
チップを独自開発しているのはMicrosoftだけではない。Googelはボット強化のために独自のAIプロセッサを開発し、Appleは水面下でiPhone専用チップを開発していると噂されている。新たな可能性を切り開く別のアプローチとしてはGoogleやFacebookが取り組んでいるように、端末のデバイス・プロセッサの負担を取り除く処理の軽いニューラルネットワークを創り出す方法がある。
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