“3ステップで給料を前払い”、ミレニアル世代に向けた「Payme」が本日ローンチ

2017年はお金にまつわる面白いアプリがたくさん誕生した。CASHTimebankpolcaなどがその代表例だろう。そんななか、社会人なら誰にとっても身近な存在である「給料」に着目したサービスが生まれた。

本日ローンチした給料前払いサービス、「Payme」だ。

同時に、その運営会社であるペイミーは9月4日、インキュベイトファンドエウレカ創業者の赤坂優氏、ペロリ元代表取締役の中川綾太郎氏、CAMPFIRE代表の家入一真氏から総額5200万円を調達したと発表した。

ペイミーは今回調達した資金を給料前払いサービスの原資として利用するとしている。

企業がPaymeを導入することで、そこに勤める従業員は将来受け取る分の給料を先に受け取ることができるようになる。引っ越し、冠婚葬祭、アクシデントなど、給料日までに高額な出費があるときなどに便利だ。

ただ、給料前払いサービス自体は新しいものではない。三菱東京UFJ銀行もフレックスチャージという名で同様のサービスを展開しているし、enigmaが提供するenigma payもある。

では、それらのサービスとPaymeの違いはなんだろうか?24歳でPaymeを創業したCEOの後藤道輝氏によれば、それは若い世代でもストレスなく使えるUI/UXだという。

「既存のサービスは使いづらく、優しくない。Paymeはミレニアル世代によるミレニアル世代のためのサービスです」(後藤氏)

ミレニアル世代が使いやすく、とっつきやすいUI/UXを

取材時にサービスの流れを見せてもらったのだけれど、Paymeの使い方はたしかに簡単だった。必要なのは3ステップだけだ。

まず、会社で利用しているメールアドレスを入力し、アカウントのパスワードを設定する。すると、事前に企業から提供された従業員データと給与データをもとに、前払い可能額が表示される(正社員であれば給与全額の70%程度)。

あとは「申請」ボタンをクリックして銀行口座を指定すると、最短即日で前払いされた給料を受け取ることができる。

手数料は3〜6%を予定していて、企業の信用度によって変動するという。

Paymeを導入する企業側のメリットとしては、前払い制度を導入することで求人の応募数が上がったり、従業員満足度が向上したりなどが考えられる。もちろん、初期の導入時にPaymeと従業員管理システムとのすり合わせる必要があるなど、多少の作業は必要になる。

後藤氏によれば、Paymeはサービスローンチ時点ですでに20社への導入済みだ。具体的な企業名は非公開だが、「半分はIT系の企業だが、いわゆる『町の商店』のような規模の企業にも導入されている」のだそうだ。

VC投資業務の経験もある24歳起業家

「50年間変わっていない給料を変えたい」と話す後藤氏は、1992年生まれの24歳。

彼はEast Venturesでベンチャー投資業務に携わったあと、メルカリCAMPFIREを経てDeNAに中途入社した。そのDeNAの戦略投資推進室で約1年間勤務したのち、2017年7月にペイミーを創業した。

ローンチ当初は給料前払いサービスとして始まるPaymeだが、将来的には貸金業と第2種金融業を取得したいと後藤氏は語る。

そうすることで、給料データをもとにした貸金サービスを展開したり、Paymeをプラットフォーム化してユーザーから集めた資金を前払い用の原資にし、そのお金が生み出したリターンをユーザーにも分配するなどの構想があるようだ。

ペイミー代表取締役の後藤道輝氏

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TechCrunch Japan

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