AWSが政府諜報機関用の秘密のリージョンを立ち上げ、インターネット接続なし

Amazonが今日、同社のクラウドコンピューティングサービスAWSに、アメリカ政府の諜報部門のワークロード向けに特別に設計された新しいリージョンが加わる、と発表した。そのリージョンはAWS Secret Regionとずばり名付けられ、政府のセキュリティの分類で“secret”レベルまでのワークロードを動かすことができる。AWSはすでに6億ドルの契約でCIAなどの政府省庁のトップシークレットのワークロードを動かしているが、これはそれをさらに補完するものだ。

AWSのこの発表のほぼ1か月前には、Microsoftがやはり同様の発表を行った。MicrosoftのGovernment Cloud上のAzure Government Secretにより、政府省庁およびそのパートナーの“secret”と分類されたデータを扱うワークロードがサポートされる。

Amazon Web Services Worldwide Public SectorのVP Teresa Carlsonはこう述べている: “アメリカ政府の諜報部門は今後、共通のツールセットと、最新技術の定常的な導入、および迅速なスケーリングを可能とする柔軟性により、自らのミッションを遂行できる。AWSのTop Secret Regionは三年前に導入され、最初の密封された*商用クラウドとしてアメリカの諜報部門の顧客たちはそれをきわめて成功裡に利用している。今回の新しいリージョンにより、省庁間のコラボレーションがさらに拡大され、意思決定者に重要な情報をより迅速に届け、国の安全がさらに増強されるであろう”。〔*: air-gapped, まわりに空隙がある==インターネットに接続されていない〕

最初の密封型クラウドTop Secretは、利用が諜報機関に限られていた。今度の新しいSecret Regionは全省庁が利用でき、既存のAmazon GovCloudなど、これまでのAWSとCIA等との関係内容とは無関係だ。

Googleもかなり前からG Suiteを政府系の顧客に提供しているが、同社はエンタープライズ顧客の獲得に熱心で、政府省庁やそのクラウドコンピューティングニーズはあまり視野にないようだ。しかし今後Googleも、政府からお墨付きをもらうことに励んで、そのサーバー上で政府の機密データを扱うようになるかもしれない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。