2018年3月3日に、発売から2年目に突入するニンテンドースイッチ。この任天堂ハードにつき、当面は本体の改良バージョンを開発する予定がないとの噂が、同社内の事情に詳しい人物からの情報として伝えられています。
任天堂はむしろ、ダンボール工作キット『Nintendo Labo(ニンテンドーラボ)』に大きな期待を持ち、ゲームよりも子供用の教育玩具を求める親世代へのアピールを目指しているとのこと。
スイッチ全体の戦略としては、より広いユーザー層を開拓するステップの一つとして、新たな周辺機器の投入やネットワーク機能の強化により、ハードウェアを変更せずに販売台数をさらに増やそうとしている、と報道されています。
任天堂がスイッチを現状のハードウェア構成のまま販売拡大を目指すことは、たびたび仄めかされていました。2017年末にも同社の君島社長は2018年度の年間販売数量について「2千万台以上にはしたい」と言及しています。
一方ではスイッチの供給は慢性的に不足気味で、さらに増産に力を入れるとの報道もあります。まだ売れる伸びしろが大いにある現状では、本体ハードウェアを改良した「スイッチ2.0」は考えにくいでしょう。
いっそう販売を加速するにあたり、ハードの改良よりもユーザー層の拡大に重きを置くことは、2018年2月、同社の経営方針説明会でも語られていました。
「これまでのところは、どちらかというとゲーム愛好者の⽅々にとって魅⼒的なソフトが多くありました」と、任天堂ゲームのコアなファンに支えられていると現状をまとめています。
次のステージはその認識に立った上で「これからは男⼥問わずより広い年齢層の⽅々にどうNintendo Switchの魅⼒をお伝えするのかが課題だと感じています」とさらなる非ゲームファンの取り込みに意欲を見せています。そのためにも、ニンテンドーラボは戦略的に大事ということなのでしょう。
さらに事情通によれば、2年目のスイッチは追加のネットワーク関連機能や、本体やドックのUSBタイプC端子に接続する形での周辺機器の投入があるとのこと。ファミコンに例えるなら、本体にモデムを外付けしてネットワーク機能を追加した「ファミコンホームトレード」といったところでしょうか。
開発スタッフがハードの能力を最大限に引き出したソフトをつくる上でも、ハードの更新はなるべく少ないことが望ましいはず。
その声を代表するマリオ産みの親・宮本茂氏も、先の説明会の席上で「これまでのハードのライフサイクルは 5 年から 6 年ほどでしたが、それよりもっと続くようにできれば⾯⽩いと思いますので、どうぞご期待ください」とコメントしていました。
スイッチは「持ち運びできる据え置きコンソール」ということで、携帯して外で遊ぶには少し大きくて重すぎという声もあります。改良版やバリエーションがしばらく出る見込みがないのは残念な感もありますが、その分はソフトのラインナップや周辺機器の充実を望みたいところです。
Engadget 日本版からの転載。