自動運転車は、ルーフや車体各部に取り付けた各種センサーで路上や周囲の情報を読み取り、それをコンピューターがリアルタイムに分析して自動車の操縦を行います。しかし、ひとたび雪が積もってしまえばセンターや路肩のライン、停止線などはは見えなくなり、場合によっては道路標識も雪に覆われて判別不能になってしまいます。
そんな一般のドライバーでも運転が難しい状況で自動運転車を走らせたらどうなるか、Googleの自動運転車開発を受け持つWaymoがその様子を5月9日の開発者会議Google I/Oで発表しました。
まず、自動運転車からみた降雪(や降雨)は、基本的にはセンサーノイズとして認識されます。画像を見てもわかるように、画面いっぱいに紫の縦スジが出ているのはすべて降り落ちる雪です。
これをすべて障害物と認識していてはまともに走ることはできません。Waymoは、マシンラーニングを利用してセンサー情報から雪を「ろ過」するようにし、路上駐車やその他の障害物をうまく認識させるようにしました。
すでに積もってしまった雪の下に隠れる車線を、自動運転車が認識できるかは明らかにされませんでした。またスリッパリーな路面を安全に走れるだけのドラテクを、自動運転車が備えているのかにも不安は残るところですが、すくなくともGoogleの説明ではこの状態でも何かにぶつからずに自宅を目指すことができるとのことです。
この技術は、地図にない田舎の道路を走る自動運転技術とともに、自動運転車の実用化のためには不可欠です。世界の大陸、巨大都市の多くが高緯度の場所にあり、冬場には当然雪も降ります。そのような地域への対応が、実は自動運転車の普及に大きく影響するかもしれません。
Engadget 日本版からの転載。