人間も星の成分でできている、とかつてCarl Saganが言って以来、自分の遺灰を宇宙に送ってもらって、静かに夜の闇の中へ消えていきたい、と願う人たちも多少ならず存在するのではないか。
サンフランシスコのElysium Spaceは、顧客の火葬後の遺灰を2000ドルで宇宙へ送ってくれる。同社は数社の商用宇宙船企業と契約しており、来年はフロリダのCape Canaveralから、同社初の人工衛星を軌道上に打ち上げる計画だ。なお、マット・デイモン主演の同名のSF映画が今日封切られるが、それは同社とまったく無関係である。
“宇宙はとても美しい特別な場所だ、と思っておられる方々が、うちのお客様だ”、とCEOのThomas Civeitが言っている。彼はかつてNasa Amesのソフトウェア技術者としてハッブル望遠鏡のメンテナンスを担当していた。彼によると、SpaceXとTeslaのCEO Elon Muskは、死ぬときは火星で死にたい、と告白したそうだ。
全米葬儀業協会のデータによると、今、お葬式の平均的費用は6000ドルぐらいだから、2000ドルはそう悪くないお値段だ。
今の計画では、来年、100名ぶん程度の遺灰を一つの衛星に乗せて地球を周回する軌道に送り込む。
顧客が同社からもらうキットには灰を入れるカプセルが含まれているので、その中に故人の遺灰を入れる。その作業は葬儀のプロにやってもらってもよい。
Elysium社はカプセルを引き取り、宇宙船に乗せるが、そのとき宇宙船の金属プレートに顧客が選んだメッセージが刻まれる。
衛星は地球を数か月ないし数年周回後、大気圏に再突入して炎上する。
Civeit曰く、“衛星は大気圏に再突入して燃える星になります”。
しかしCiveitが最終的にやりたいのは、遺灰を月面に散布したり、あるいは遠い宇宙空間に送り出すことだ。
彼曰く、“遺灰を太陽に送りたい人もいるでしょう”。
Elysiumのサービスにはアプリが付随していて、それを使うと家族は故人の現在位置を空の上に確認することができる。今はAndroidだけだが、iOSバージョンももうすぐ出る予定だ。
Civeitによれば、Elysiumは目下、資金を募集中だ。同社以外にも、宇宙葬を提供している企業はある。Celestisは5年あまり前にローンチしたが、同種のサービスが5000ドルだ。ただしCelestisには、遺灰が宇宙旅行をして地球に帰還する1000ドルのプランと、遺灰を遠い宇宙空間に送る12000ドルのプランもある。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))