電子薬歴システム「Musubi」を提供するカケハシは5月14日、グロービス・キャピタル・パートナーズ、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、Salesforce Ventures、SMBCベンチャーキャピタル、Draper Nexus Venture Partners、グリーベンチャーズ、500 Startups Japanより、シリーズAラウンドで総額9億円の資金調達を実施したと発表した。
Musubiは、薬剤師が患者に対して行う服薬指導で利用するクラウドサービスだ。指導の内容は自動でクラウド上に蓄積されるため、コミュニケーションと同時に薬歴記入ができることが特徴。この時間短縮の効果は大きく、毎日2〜3時間の業務負担を大きく削減することが可能であるほか、患者の疾患、年齢、性別、アレルギーなどの情報や過去の薬歴などを参照して最適な指導を行うことができる。
カケハシは2018年3月に行われたB Dash Campピッチアリーナで優勝したスタートアップだ。壇上に上がった代表取締役の中尾豊氏は、同社の月次売上高はその当時すでに4000万円に達していると話し、会場を驚かせた。現在、Musubiには約8000店舗からの問い合わせがあり、それらの店舗への導入率は約6割だという。
カケハシは今回調達した資金を利用して、エンジニアとカスタマーサポートの人員を大幅に強化することを目指す。このタイミングで大型調達を行い、人員強化を行うことでサービスの改善点やニーズを現場から汲みあげることが必要であると考えたようだ。
カケハシは2016年3月の設立。これまでに2度の資金調達を行い、合計で約2.5億円を調達した。今回のラウンドを含む累計調達金額は約11.5億円となる。