「十分まわる組織になった」ーーAnyPayが新体制を発表、木村氏は取締役会長として投資事業に専念

わりかんアプリの「paymo」などを提供するAnyPayは6月1日、経営体制の変更を発表した。現代表取締役社長の木村新司氏は新たに取締役会長に就任し、現取締役COOの大野紗和子氏(写真右)とペイメント事業責任者の井上貴文氏(写真左)の2名がともに代表取締役へと就任する。

「既存事業は安定し、十分まわる組織になった」と話す木村氏は今後、シンガポールを拠点として投資事業に注力するという。一方で、大野氏はブロックチェーン領域と新規事業の創出を、井上氏は既存のペイメント事業をそれぞれ管轄するという。

木村氏は、「投資も事業もできる会社が理想。純粋な投資家はPLを見て投資をするしかないが、事業会社は既存事業がもつケーパビリティを生かして投資することができる」と語り、この新体制により彼が理想とする企業のかたちへと進化することができると説明した。

これまでにも投資会社のDas Capitalを通して投資事業を行なってきた木村氏。現在、同社は累計で約40億円もの出資を実施済みで、そのポートフォリオには2017年に上場したWantedlyや2018年上場のSpotifyも含まれるなど順調にエグジットを重ねている。木村氏は今後もブロックチェーンやシェアリングエコノミー、フィンテックなどの分野をテーマに投資を続けていくという。

「シェアリングエコノミーを例にとっても、先進国と新興国ではその広がり方はまったく異なる。先進国ではあまった時間やモノをシェアするという意味でのサービスが生まれているが、もともとモノが足りない新興国では、サービス提供者がモノを提供し、ユーザーがそれを複数人でシェアするというかたち。そういったトレンドを掴むためにも、シンガポールを拠点として投資を行うことが重要だと考えた」(木村氏)

2017年9月よりICOコンサルティング事業を開始し、大野氏の管轄分野も「ブロックチェーンや新規事業」と説明するなど、これまでもブロックチェーン領域へ熱い視線を向けてきたAnyPay。同社は現在、ペイメントを軸にした新規事業開発を複数件進めていて、その中には「仮想通貨系のもの」(木村氏)も含まれているという。その新サービスは、早ければ今年7月のローンチを目指しているという。

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TechCrunch Japan

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