テスラを率いるイーロン・マスク(Elon Musk)氏は、車載ソフトウェアのアップデート「バージョン 9.0」を8月から配布開始すると表明しました。このバージョン 9.0では、「オートパイロット 2.0」以降を搭載した車両で「完全自動運転」機能が利用できると同氏はツイートしています。
2016年にバージョン 8.0、2017年にバージョン 8.1が配布され、そのたびに自動運転機能の拡張と利用速度域の向上が図られてきたテスラの自動運転機能。さらに2年前には完全自動運転機能を2018年にリリース予定だと表明しており、上のようなデモ動画も公開されています。
動画を見ると、完全にハンドルから手放した状態で車両が周囲の状況を判断しながら交差点を曲がり、曲がりくねった道を走行し、赤信号で停止し、高速道路でレーンをチェンジしたり、インターチェンジから降りたり……といった動作が確認できます。ただしこれはあくまでもデモで、この動画と同等の自動運転機能が実装されるかどうかは今のところ不明です。それに、法規制等の問題から手放しでの自動運転も難しいところでしょう。
また、テスラが「完全自動運転」を主張するも、その実態はドライバーが運転席のシートに座り、いつでも運転をコントロールできる必要があります完全自動運転と聞くと「車両が運転をすべて担当し、ドライバーはハンドルすら握らずシートに座っていればいいんだな」と誤解しがちですが、テスラ独特のこの言い回しには若干注意が必要です。完全にドライバーのコントロールが必要ない「自動運転レベル5」は、現時点ではまだ実験段階です。
テスラの自動運転技術といえば、残念ながら最近は利用中の事故の報道が多く目につきます。2018年4月の事故の際にはドライバーが直前にハンドルを握っていなかったことが判明していますが、これは自動運転技術がまだまだ発展途上である、さらにはテスラと一般ドライバーの間で「自動運転機能」の捉え方差があることを感じさせます。
なにはともあれ、今年の夏にはデビューする予定のテスラの「完全自動運転」機能。ぜひ自動運転技術の未来を見せてほしいものです。
Engadget 日本版からの転載。