If I knew what I knew in the past
I would have been blacked out on your a**
?Kanye West,?Black Skinhead
私は、創業者が自分の会社を経営することを支持していることで有名なため、創業者がスケールに失敗したり、プロのCEOに取って代わられたりするといつも、人々が多くのEメールを私に送ってくる。Ben、何が起きたんだ?創業者の方が優れているのかと思っていたけど?“私が創業者CEOを好む理由”をアップデートするつもりがあるのか?
これらのEメールへの返答:いいや、私はその投稿を書き直すつもりはないが、私はこの記事を書くつもりだ。創業者が自分の作った会社を経営するのに失敗する理由は主に3つある:
- 創業者が本当はCEOになりたくない – 全ての発明家が会社を経営したいわけではない。そして、もしあなたが本当にCEOになりたいわけじゃないのなら、あなたが成功する確率はひときわ低くなる。CEOのスキルは習得するのが非常に困難なため、そうしたいという強い願望がなければ、創業者は失敗するだろう。もしあなたがCEOになりたくない創業者なら、それは構わないが、それを早い段階で把握して自分自身と他の全ての人達を多くの痛みから救うべきだ。
- 役員会がパニックになる – 時には、創業者はCEOになりたいのだが、役員会は創業者が間違いを犯すのを目にして、パニックになり、時期尚早に取り換える。これは痛ましいが、よくあることだ。
- プロダクトCEOのパラドックス – 多くの創業者は、プロダクトCEOのパラドックスにぶつかる。これについて以下に説明する。
プロダクトCEOのパラドックス
ある友人は、容赦なく自分のプロダクトビジョンを追求することによって、記録的な速さで自分の会社を利益ゼロから10億ドル以上に導いた。彼は、自らの会社のプロダクトプランニングと実行の複雑な詳細に密接に関与することによってそれを成し遂げたのだ。これは、従業員およそ500人に至るまでは見事にうまくいった。その後、会社が拡大し続けると、物事は悪化し始めた。彼は、複雑な製品ラインにわたって団結と文脈を維持した明確なビジョンを持つプロダクト創業者から、気まぐれに思える意思決定者および製品の障壁へと変貌した。これが従業員を苛立たせ、開発を遅くした。その問題を受けて、さらには会社を拡大するのを助けるために、彼は身を引き、全ての主要製品の決定と指示をチームへと委任し始めた。そして彼はプロダクトCEOのパラドックスにぶつかったのだ:プロダクトCEOが製品に大いに関与することにもまして早く会社を破たんさせる唯一のことが、CEOが製品から離れることなのだ。
これはよくある話だ。創業者が飛躍的なアイディアを練り、それを築くために会社を始める。そして、そのアイディアを最初に思いついた人として、休むことなく働き、製品の出来栄えがビジョンに合っていることを確実にするために製品の細かいこと全てに関与することによってそれを実現する。製品は成功し、会社は成長する。すると、いつの間にか、CEOは自分なしで従業員がより上手にできることに注意を払い過ぎて、会社の他のことに十分に注意を払っていないと、従業員が文句を言い始める。役員会もしくはCEOコーチが、“従業員を信頼して委任する”ことを創業者にアドバイスする。そして、製品は焦点を失い、ラクダ(委員会によって作られた馬)のように見え始める。そうこうしているうちに、CEOが製品において唯一の世界クラスだったために、彼女が素晴らしい製品指向のCEOからくだらない汎用CEOへと事実上変身したということが判明する。私たちには新しいCEOが必要なようだ。
どうすれば私たちはそれを防ぐことができるのだろうか?製品指向の優れた創業者/CEOのほぼ全てが、そのキャリアを通して製品に関与したままであることが分かっている。Bill Gatesは、リタイアするまでMicrosoftでの全ての製品レビューに出席した。Larry Ellisonは、今もOracleで製品戦略を実行している。Steve Jobsは、Appleで全ての重要な製品のディレクションに介入していたことで有名だ。Mark Zuckerbergは、Facebookで製品ディレクションを行っている。彼らはどうやって会社を粉々に吹き飛ばさずにそれをやっているのだろうか?
長年にわたって、どの人も、個々の一連のプロダクト・ディシジョンへの関与のレベルを減らしたが、必要不可欠な関与は維持した。製品指向のCEOの必要不可欠な関与は、少なくとも以下のアクティビティから構成される:
- プロダクトビジョンを維持し推進する – CEOが、全部のプロダクトビジョンを作る必要はないが、製品指向のCEOは自分が選択したビジョンを推進しなければならない。何が為されるべきかを見て、それを適切に準備するという立場にある人間なのだ。
- クオリティ・スタンダードを維持する – 十分に良い製品とはどれくらい良くあるべきなのだろうか?これは、応えるのが非常に難しい質問であり、それは一貫していなければならないし、文化の一部でなければならない。Steve JobsがAppleを経営していた時、彼は素晴らしい顧客ロイヤルティを作ったスタンダードを推進したため、これを正しく行う力を見るのは簡単だった。
- インテグレーターになる – Larry PageがGoogleのCEOを引き継ぐと、彼は全てのプロダクトグループに共通のユーザープロフィールに着手することを強いてパラダイムを共有することにたくさんの時間を費やした。なぜか?彼がそうしなければならなかったからだ。CEOがそれを起こさなければ、決して起こらなかった。それは他の誰かの優先事項ではなかったのだ。
- 人々に自分が持っていないデータを検討させる – 今日の世界では、プロダクトチームは自分たちが作った製品に関する未曾有のデータを持っている。彼らのやりたいようにさせると、彼らは自分が持っているデータの周辺で製品を最適化する。しかし、彼らが持っていないデータはどうなのだ?顧客が想像することのできない作られる必要のある製品や機能はどうなのだ?CEOの出番だ。
しかし、これまでずっともっと深いレベルで製品に関与してきたのなら、あなたはどうやってそんなことをするのか?どうやっていくつかの分野では全く身を引かずに、総体的には体裁良く身を引くのか?ある時点で、あなたは自分の製品関与を正式に構造化しなければならない。密接に関与した動きから、チームから力を奪ったりチームの気を狂わせることなく自分が貢献することを可能にするプロセスへと移行しなければならない。厳密なプロセスは、あなた自身とあなたの強みとあなたのワークスタイル次第だが、通常は以下の要素から恩恵を受ける:
- 言うのではなく、書く。 製品に求めることがあるのなら、それを完全に書き出すのだ。簡単なメールではなく、正式なドキュメントとして。これが、あなたが最初から最後まで考えたそれらのことへのあなたの関与を制限する働きをしながら、明確さを最大限にする。
- 製品レビューを正式なものにして参加する。 もし、チームが、ビジョンとの一貫性やデザインの質や統一ゴールに対する進捗などをあなたがチェックする定期的なレビューを予期すべきことを知っているのなら、あなたが廊下で方向転換する場合よりも、力を奪われる感じは少なく感じるだろう。
- 正式な過程以外で指示を伝えない。個々のエンジニアやプロダクトマネージャーとその場しのぎで話すのは構わないし必要なことだ。あなたは何が起こっているのかの自己理解を継続してアップデートする必要がある。しかし、これらの状況に飛び込んで指示を与えようとする試みは我慢することだ。上で説明したような正式なコミュニケーションチャネルを介してのみ指示を与えること。
必要とされる場所では関与したままで、必要不可欠ではない関与から手を引くのは本当に難しいということは留意すべきことだ。これがほとんどの人が自爆する場所なのだ:手放さないことによって、もしくは手放すことによって。もしあなたが、私の友人が気付いたこと―全てを手放さずに少しを手放すことはできない―に気付いたなら、CEOの変更を検討すべきかもしれない。しかし、そうするのではなく、これをする方法を学ぶのだ。
この記事は、ben’s blogに掲載された「Why Founders Fail: The Product CEO Paradox」を翻訳した内容です。