名刺、それは格好の良いものではないが、ビジネスチャンスや売上につながることがある。残念なことに、名刺は忘れられがちだ。名刺データを打ち込む作業があまりに面倒だからだ。
TechStars出身のFullContactは、名刺の連絡先情報をSalesforce.comに登録するサービスだ。顧客は、FullContactリーダーで名刺を読み込めば、Salesforceのグループ、エンタープライズ、およびプロフェッショナル・エディションで利用できる。
名刺リーダーを提供する会社は数多い。例えばLinkedInには、CardMunchがあるが、同サービスでしか使えない。Evernote Hello、NeatMobile、およびShape Business Cardなどのリーダーも要チェックだ。
しかし、Salesforceなどのプラットフォームに連絡先データを自動的に送り込めることこそが、現在のFullContactの優位点だ。まず、リーダーで名刺をスキャンしてデータベースに登録する。次にデータはAmazon Mechanical Turkに送られ、手動でデータ化される。作業が完了したら、連絡先データはSalesforceに送られデータベースに追加される。このプロセスには約15分かかる。
この機能は、FullContactがSalesforce ISVプログラムに加入したことによって生まれた。以前Salesforceユーザーは、同僚と異なるバージョンを動かしていることがあった。この新サービスでは、利用者が使っているバージョンにかかわらず名刺データをアクセスできる。FullContactでは、名刺の約9%が実際にCRMシステムに登録されると推測している。同サービスはiOSで利用可能で、約2ヵ月のうちにAndroidバージョンも提供予定だと同社は言っている。
FullContactは、別のプラットフォームにもこの名刺管理サービスを提供する計画だ。CRMであれ、メールクライアントであれ、個人のスプレッドシートであれ、データが意味を持つところであれば何とでも統合したい、と同社は考えている。
同社が提供するAPIを利用すれば、ソフトウェア・テベロッパーは、自社のサービスやアプリケーション内で、ユーザーに完全かつ最新の連絡先情報を提供できる。デベロッパーは、不完全な古い連絡先データベースを完成させることもできる。名刺情報には、電話番号、メールアドレス、住所、氏名、役職、会社名、ソーシャルプロフィールのURL、写真、誕生日、インスタントメッセージのハンドル等々が含まれる。
FullContactは、ソーシャルデータを収集し、個人やサードパーティー・プラットフォームに統合することに関する深い専門知識を持っている。ひとたびデータをシステムに入れれば、他のツールを使ってどう分析するかは各企業次第だ。データの統合は重要だが、ビジネスのデータ駆動化を進める企業にとって、分析能力がもたらす付加価値は益々重要になっている。
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(翻訳:Nob Takahashi)