企業価値10億ドル超の新ユニコーン企業の続出、数え切れないほどの1億ドル規模のベンチャーファイナンス、そして巨大ファンドの爆発的な増加ー2018年の米国企業ベンチャーキャピタルが過去最多になることはまったく驚きではない。
今年はあと2.5カ月を残しているが、PitchBookの第3四半期ベンチャーモニターからのデータによると、9月30日時点で、6583件のVCディールがあり米国企業はすでに841億ドルを調達したーこれは2017年通年の額を上回る。
昨年は9000件超のディールがあり、820億ドルを調達した。この数字はこの業界ではかなりの出来だった。多くの人が感じたのは、この傾向が今年も続くのだろうかということだ。ところが、どうだ。VC投資は過去10年の最高額を更新し、スローダウンする気配はまったくない。
なぜ上昇しているのだろうか。資金調達する企業の数は少なくなっているが、ラウンドの規模が膨張している。たとえば、ユニコーンは2018年のキャピタルの25%を占める。SlackやStripe、Lyftなどを含むそうした企業は今年これまでに192億ドル調達していてーこれは最高額だー2017年の174億ドルから増えている。2018年第3四半期だけでユニコーン企業のディールは39件、額にして79億6000万ドルだった。
以下、米国ベンチャーエコシステムについてのPitchBookのレポートから興味深い点をいくつか挙げる。
・2018年、おおよそ280億ドルがアーリーステージのスタートアップに投資された。前四半期の平均的なディール規模は25%大きい700万ドルだった。
・10のファンドが今年5億ドル以上を調達し、そのほかLightspeed Venture PartnersやIndex Venturesを含む5つのファンドが10億ドル以上をクローズした。
・西海岸拠点のスタートアップが第3四半期ディールバリューの54.7%を占めた。しかし他のエリアのスタートアップが伸びている。ニューイングランド(12%)、中部大西洋(20%)、五大湖(5%)。
・米国の医薬品・バイオテックへの投資が、今年すでにこれまでで最高の140億ドルに達している。
・コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)の動きが活発化している。今年、CVCは米国のスタートアップに393億ドル投資した。これは2013年の152億ドルの倍以上の額だ。
・買い占めによるVCから支援を受けた企業がこれまでになく増えている。
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(翻訳:Mizoguchi)