Web”ページ”ではなく”サイト”を一般会社員にも作れるAppcubator(データベースやアクセス分析も最初から提供)

プログラミングの勉強を始めてから、実際にWebアプリケーションを作れるようになるまでには、上(のぼ)るべき階段がたくさんある。そこで、ここでご紹介するY Combinator出身のスタートアップAppcubatorは、その大きなギャップを填めようとする。Appcubatorを使うとユーザは、ドラッグ&ドロップ、テキストの挿入、テーマの指定、といった簡単な操作でWebアプリケーションを作れる。今のプロのWebデベロッパのように、難解な言語やライブラリやAPIやフレームワーク等々と悪戦苦闘しなくてもよい。

協同ファウンダのKaran Sikkaによると、Appcubatorが想定しているユーザ層は、Webサイトを作る技術について概念的には理解しているがプロのデベロッパのスキルはない、という人たちだ。“企業で働いている人たちが、日常の自分の仕事をしながらWeb開発の技術的な側面を理解し実践することは、とても難しい。それだけの忍耐力のない人が、ほとんどだ”、とSikkaは言う。“だから彼らは、自分の時間を費やすよりはお金でデベロッパに任せる方を選ぶ”。

でもそんな人たちも、ほとんどの人がアプリケーションの構築に関する知識をある程度持っているので、複雑なサイトのナビゲーションの仕方などもすぐに理解する。私の場合も、最初はまごついても、ページの隅の方に小さなチャットボックスを見つけたら、これで質問することがすぐに分かる。Appcubatorはビデオチュートリアルやデモツアー、ほかのユーザが作った作例などの“教材”を豊富に用意しているから、まごつくことも少ないだろう。

Appcubatorを最初に立ち上げると、ブランクのホームページが表示される。そこにドラッグ&ドロップでいろんな要素を加えていく。ヘッダやフッタもエディットできるし、”About Us”や”Sign Up”など、ほかのページを作ってそれらのリンクをメインのホームページなどへ置ける。画像、テキスト、ビデオ、ボタンなどを置けるほか、そのWebサイトへのログインは、メールやFacebook、LinkedIn、Twitterなどからでもできる。

しかも、Appcubatorで作ったWebサイトに関しては、ユーザ数やビジター数、ページビューなども分かる。データをユーザの情報に基づいて構成するとか、サインアップした全員にメールを送る、といったやや高度な対応もできる。テーマの変更、ページの管理、URLの変更などなども、もちろんできる。

制作の途中で、いつでも現状を保存できるし、いつでもプレビューあるいはパブリッシュ(公開)ができる。ユーザのWebサイトにはユニークなURLが付くし、また自分が作ったサイトのコードをダウンロードできる。ダウンロードしたコードを、好きなようにエディットしてもよい。

プログラミングを多少かじったことのある人は、コードをダウンロードして細工をした方がよいかもしれない。たとえばCSSを書ける人なら、テーマをエディットするといいだろう。なお、Appcubatorが作ってくれるサイト…サーバ部分…はPythonで書かれておりまして、WebライブラリDjangoを使用しております。

似たようなサービスにBubble.isdockPHPなどがある。でもSikkaが主張するAppcubatorのアドバンテージは、デベロッパ向けに最適化されていることと、デフォルトでデータベースの利用をユーザに提供していることだ。今後は、サイトをモバイル対応にするためのプラグインを提供していく。

Appcubatorのベーシックバージョンは無料、カスタムドメインとパフォーマンスのアップとデベロッパサポートが付くと月額35ドルになる。なんでもいいから今すぐサイトを立ち上げたい人は、Appcubatorに丸投げすると一日でWebサイトを作ってくれる(料金は480ドルより)。

グラフィックに凝りたい人などから見ると、Appcubatorが作ってくれるサイトは少々ご不満かもしれない。でも、必要最小限のものを簡単に作れるし、データの管理もAppcubatorの上でやってくれる。

デモを見たい人はここ。早速(無料の)アカウントを作りたい人はここ。そして、ほかのユーザが作ったサイトを見たい人はここへ行ってみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


投稿者:

TechCrunch Japan

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